浙江紡績服装職業技術学院が製作した巨大・人民服は高さ4.3メートルで、2階建ての建物に匹敵する。ボタンの直径は12センチメートルという。今後はさまざまな都市を順に展示する予定。巨大・人民服の出現を長く歴史にとどめるため、ギネスブックにも登録を申請するという。
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◆解説◆
中山服は1912年に成立した中華民国で、男子正装として用いられた。国民党政府は台湾に逃れた後も、1950年末ごろまで、中山服を正装として用いた。
中国大陸では1980年代半ばごろまで、中山服が「人民の標準服」として用いられた。その後、政府要人は公式の場で背広を着用するようになったが、江沢民国家主席(当時)は1992年、日本を訪問した際に天皇主催の晩餐会で中山服を着用した。日本からは「非礼」との反発が出た。
胡錦濤国家主席(中央軍事委員会主席)は2009年の10月1日の国慶節で、天安門広場で行われた式典で、黒色の中山服を着用した。盛大な閲兵式と軍事パレードが行われるなど軍が重要な役割を果たす式典で、正式の軍服でもなく背広でもない「中山服」を着用したことが、同主席の考えを示すとされた。
中山服は英語では「Mao suit」などと呼ばれる。「毛沢東のスーツ」の意。(編集担当:如月隼人)
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