2010年に大幅な上昇を見せたショウガ価格が大暴落した。最高値時にはキロ当たり9.6元(約118.6円)だった卸売価格が、最近になり過去10年間で最低の0.7元(約8.65円)を記録した。
投機で値上がりし、農家が作付面積を大幅に増やすなどでだぶついた。人民日報(電子版)が報じた。

 政府・農業部の調べによると、2011年になってからショウガの卸売価格は下落を続け、10月の全国卸売価格の平均は前月比9%下落、前年同月比で59.3%下落のキロ当たり3.91元(約48.31円)だった。

 ショウガだけでなくニンニク、緑豆、唐辛子なども投機の対象になり、2010年までに価格が大幅上昇した。このため、利益を当て込んだ農家がリスクを考慮せずにやみくもに作付面積を大幅に増やした。投機ブームが去ると同時に極端な供給過多になり、価格が下落の一途をたどった。

 作付けから生産までに一定時間が必要という農業の特徴から、農家は価格上昇時に利益をあまりあげられず、下落時には損失を出すケースが続出する。損失を出した農家は翌シーズンの作付けを減らすため、再び投機の対象となり価格が急上昇するという悪循環が発生している。最近では豚肉や白菜、ジャガイモなどでも同様の現象が発生した。

 中国の農家も経営規模が大きくなく情報収集・分析能力に乏しいので、たえまなく変化する市場の動向には対応できていないという。

 政府も、価格高騰時には消費者の便宜を考慮して対策に力を入れるが、価格低迷時の生産者保護は不足との指摘がある。

 個別の農家では需給バランスの変化に対応しきれないので、組合のような組織づくりを奨励すべきとの意見もある。
組織的に農家に対する指導と備蓄の買い入れと放出を行うなど、価格安定のための仕組みづくりが必要だとの考えだ。(編集担当:中山基夫)
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