フランスの美術品コンサルティング会社「アートプライス(ARTPRICE)」はこのほど、2011年の美術品落札価格トップ10を発表した。現代中国画の巨匠・斉白石が、過去の「ピカソ作品」などを抜き、世界最高の落札額を記録した。
チャイナネットが報じた。

 斉白石の『松柏高立図-篆書四言聨』が2011年5月22日に中国嘉徳国際拍売有限公司(以下、中国嘉徳)主催のオークションで世界最高値の4億2550万元(53億4215万円)で落札された。中国美術品が世界最高価格で落札されたのは初めてだった。

 欧州債務危機が深刻さを増した2011年も中国美術品市場は好調だった。中国嘉徳主催のオークションでは、2011年通年の書画取引件数が約1万7000件、取引総額は72億元(約904億円)だった。うち3作品が1億元超で取引された。取引額1000万元超の作品は94点だった。斉白石の『松柏高立図-篆書四言聨』の落札価格は4億2550万元をつけ、同年の最高額で取引された。

 中国美術品市場は2009年以来、世界シェアを拡大。2011年にオランダのマーストリヒトで開催された「アート・アンティークフェアTEAF」で公表された統計によると、中国の美術品市場は2010年にイギリスを抜いて世界第2位となり、世界シェアの23%を占めた。

 アートプライスのまとめによると、2011年に美術品の主要オークションでの高額落札トップ100のうち、30件が中国人によるものだった。同時に、中国の芸術作品に対する評価も高まっている。
張暁剛、曽梵志などの中国の著名当代芸術家の作品は、国際オークションで相次いで落札価格を更新している。

 アートプライスが把握している芸術家45万人のうち、最も高額で取り引きされているのは張大千と斉白石の作品だ。2011年の張大千作品のオークション売上高は5億670万米ドル(400億6730万円)で世界トップだった。斉白石は第2位の4億4510万米ドル(351億9628万円)。第3位はアンディ・ウォーホル3億2480万米ドル(256億8356万円)、第4位はパブロ・ピカソで3億1160万米ドル(246億3977万円)。第5位は再び中国人で、徐悲鴻の2億1290万米ドル(168億3506万円)だった。

 張大千作品のオークション売上高は2年間で約13倍に増えた。2011年5月には、香港蘇富比拍売公司(サザビーズ)主催のオークションで、張大千作品『嘉〓図(1947年)』が1億9100万香港ドル(2450万米ドル)で落札され、張大千作品の最高落札額を記録した。

 同オークションにおける斉白石の水墨画『松柏高立図-篆書四言聨』の落札価格は4億2550万元(6550万米ドル)で、米抽象画家クリフォード・スティル作品『1949-A-NO. 1』の落札価格6170万米ドル(48億7892万円)を超えた。(〓はへん部分が「耒」、つくり部分が「禺」)(編集担当:高橋大樹)
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