ロンドン五輪の男子高飛び込みの試合を実況中継していた女性解説者の張萌萌さんが、出場選手について、選手が親がひとりしかいない単親世帯の出身であることなどを差別的に話したとして、中国では非難の声が上がった。張さんは、マイクのスイッチを切り忘れていたとみられている。
中国新聞者が報じた。

 張さんは1980年生まれで、シンクロナイズドスイミングのトップクラスの選手だった。現在は、スポーツ関連の解説などの仕事をしている。中央電視台(中国中央テレビ、CCTV)が11日に動画配信した、男子10メートル高飛び込みの準決勝で解説者を務めていた。

 問題発言は、しばらく競技が途切れて特に解説の必要がない時に流れてきた。解説者としての口調ではなく、あきらかに私語の雰囲気だった。

 画面に選手が出てくると「みんながみんな変態。“単親”でなけりゃ、あいつみたいに……」と言い出した。張さんの発言中の「あいつ」とは、5月に自らが同性愛であると公開したオーストラリアのマシュー・ミッチャム選手とみられている。

 その後、張さんの声はいったん途切れた。そして、普通の解説者のように、再び語り出した。

 インターネットでは、張さんへの非難が相次いだ。
「単親は変態ではない。あんたの声が変態だ」、「同性愛と変態は全然ちがうだろう」、「仕事上のミスは許してもよい。しかし、最低限の道徳と他人への尊重がない者が、あの中央電視台の仕事をしているとは」などの書き込みが、次々に寄せられた。

 張さんに謝罪を求める書き込みも多かったが、張さんは応じず、中国版ツイッターの微博で、問題が出たのはすべてディレクターのせいと主張した。しかし、張さんはしばらくして同「つぶやき」を削除。12日午前には、同「つぶやき」と関連する内容のコメントも削除した。

 張さんの「問題発言」が残されていた動画も、12日午後には削除された。(編集担当:如月隼人)
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