台湾メディアの東森新聞は10日、台湾南部の高雄市のライトレール乗り場で日本人観光客の家族が困っていたと報じた。

記事は、「沿線に観光スポットが点在している高雄のライトレールは、地方から訪れる観光客にとって欠かせない公共交通機関だ。

しかし、高雄展覧館駅で日本人観光客の一家4人が困る状況があったようだ」と伝えた。

当時現場にいたという女性は「日本人の家族4人がいて、ライトレールに乗りたかったようですが、券売機で『硬貨しか使えない』って言われて困っていました」と振り返った。家族は近くにいた女性に声を掛け両替してもらえないかと相談したが、女性もあいにく小銭を持っていなかったという。

女性は「ちょっと悲しかったですね。助けてあげられなかったことが残念です。コンビニも少し離れていたし、その日は蒸し暑くて、あのご夫婦はお子さんを連れていて、かなり疲れている様子でした。もし私たちのインフラがもう少し思いやりのある設計だったら、もっと良い印象を与えられたと思います」と語ったという。

記事によると、台湾の市民はライトレールを利用する際、多くがICカードを使う。外国人観光客らは紙の切符を購入することも可能だが、いずれの券売機でも使えるのは硬貨のみで、紙幣やクレジットカードなどには対応していないという。

この問題について利用者からは「みんなICカードを使い慣れているから。(外国人観光客にとって)不便だとは思わなかった」「クレジットカードのタッチ決済ができれば、もっと便利かもしれない」といった声が聞かれたという。

実は、ライトレールの試験運行時にも、券売機が硬貨にしか対応していないのは不便という指摘が議員から出ていた。

これについて高雄市の捷運工程局は「1台あたり80万台湾ドル(約380万円)の券売機に紙幣対応機能を追加するには30万台湾ドル(約140万円)が必要。コスト面を考えて見送った」と説明していた。

ライトレールを運行する高雄捷運公司は「乗車券の購入率は低い」としつつも、「高雄ライトレールは観光スポットを結んでいるため、観光客の利便性も重視しなければならない」として、今後両替機の設置も検討するとしている。(翻訳・編集/北田)

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