艦船総合情報誌『世界の艦船』によると、海上自衛隊の対潜能力は大きく2つに分かれる。1つ目は主力駆逐艦・護衛艦による水上の兵力で、2つ目は艦載対潜ヘリおよび陸上の固定翼対潜哨戒機による航空兵力だ。潜水艦そのものも「潜対潜」の重要な武器であるが、海上自衛隊の16隻の潜水艦は長期間にわたり、航路の断裂および海峡の待ちぶせ攻撃の訓練を実施しているため対潜作戦は不得手だ。
海上自衛隊の中核的な戦力である「八八艦隊」の「ひゅうが型」、「はるな型」、「しらね型」ヘリコプター搭載護衛艦は3機以上の対潜ヘリを搭載できる、世界でも稀に見る対潜専用の戦艦だ。低中周波ソナー・曳航式パッシブソナー・可変深度ソナーを持ち、全体的な探知能力が高く、新海水域での作戦に適しているため、太平洋に面した北部・東部の水域に配備されている。
一般的な駆逐艦で使用される中周波ソナーは、浅い海域での操作に適しているため、中国・北朝鮮に面した西部の港に配備され、東シナ海の大陸棚水域の巡航を担当している。そればかりではない。海上自衛隊のすべての中大型作戦艦艇には艦載ソナーが搭載されており、これに艦載対潜ヘリが加わる。その対潜探知距離は、中規模の艦隊の安全を保障できる。米海軍と実施した環太平洋軍事演習において、日本の対潜技術はもっとも優秀と公認された。
海上自衛隊はさらに、米国に次ぐ101機のP-3C対潜哨戒機を持つ。