中国版ツイッター・微博(ウェイボー)で8万3000人のフォロワーを持つ鉄道メディア関係者の「高鉄見聞」さんは29日、「なぜ中国高速鉄道にはシートベルトがないのか」と疑問を投げかけるツイートを投稿し、持論を展開したところ、リツイートの数は1500を超え、ネットユーザーからも多くのコメントが寄せられた。
高鉄見聞さんは「飛行機にも自動車にもシートベルトがあるのに、時速300キロで走行できる中国高速鉄道の座席にシートベルトがないのはなぜなのだろう」と疑問を呈す一方、鉄道の座席にシートベルトがないのは「別に中国特有の事情ではない」と指摘。50年も前に開業した日本の新幹線でさえずっと座席にシートベルトがないとしたうえで、「鉄道の座席にシートベルトがないことは昔から」との見方を示した。
続けて、高速鉄道の座席にシートベルトが存在しない理由について「安定性が極めて厳しく制御されているため」とし、その例として、北京と上海を結ぶ京滬高速鉄道では車両の停止時に座席の机にタバコを立てて置き、その後車両が発進し、時速300キロに達してもタバコは倒れないほど車両の安定性が高いと主張した。
さらに高鉄見聞さんは、高速鉄道の座席にシートベルトを設置することは事故時の潜在的なリスクを高める可能性があると伝え、欧州での調査や研究結果として、事故発生時は乗客がシートベルトで椅子に固定されているほうがより危険性が高いケースがあることを紹介。鉄道においてシートベルトよりむしろ座席の設計を工夫することで乗客の安全性を高めていると伝えた。
高鉄見聞さんの主張に対し、ほかの微博ユーザーは「事故が起きたらシートベルトなんて意味を成さないからでは?」、「衝突時のエアバッグのほうが有効じゃないか」といった声のほか、「シートベルトがないのは中国ならではだと思ってた」と、中国の国情をまったく信頼していないといった声もあった。
さらに、「事故が起きたら、どうせ埋められるのだからシートベルトなんて関係ない」との指摘があり、2011年に中国で発生した高速鉄道の衝突事故において、原因究明などを待たずして車両を土中に埋めるという前代未聞の対応を行った当局を暗に批判するコメントも見られた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
【関連記事】
日本のリニアモーターカーに「危機感」
日本製家電に苦渋の脱帽! 「すごすぎる。作れない」と中国人技術者
ブーメラン効果になっちゃう 日本企業への制裁で 「中国の自動車メーカーに危機が訪れる」
「高架線」が多い中国高速鉄道・・・安全向上、「人が線路を横切る」問題も解決
世界の車に「日本の技術」・・・ボンネットを開けてみよ!