大手ポータルサイトの新浪網が日本時間7日午前8時55分、同社運営の中国版ツイッターである新浪微博(シンラン・ウェイボー)の公式アカウント「微天下」で、高崎山自然動物園のサルの赤ちゃんの命名にまつわる“騒ぎ”を紹介した。
微天下は、サルの赤ちゃんの名は事前に募集したもので、「シャーロット」との意見が最も多かったと紹介。「英国王室で生まれたばかりの王女と同じだったので、多くの人が、『英王室に失礼だ』と抗議。園側は命名の取り消しを考慮している」と伝えた。
寄せられたコメントで日本時間11時現在、「いいね」が最も多いのは「立派な日本のサルに、どうしても英国名をつけねばならないのか。(サルの名は)晋三とでもしておけ」との意見だ。
中国では安倍晋三首相への批判が強いことが背景にある意見だが、ベースにあるのは「英国風の名をつける」ことに対する批判と解釈できる。
その他の「いいね」が多いコメントとしては、「日本は欧米にひざまづくんだよ。例はいっぱいある」、「日本の動物園が動物に命名して、なんで英国王室のことを心配するんだ。わけがわからない」、「英国王室から抗議がきたのか? 自分で悩みの種を探している」などの意見だ。
サルに英王女と同じ名をつけたことを批判する意見は見当たらず、「民主と自由ではないのか? 『名諱』(解説参照)か」、「避名諱ということだな」、「シャーロットという名の人は多い。王女でなければ、世界中のシャーロットさんに対してはどうでもよいのか。
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◆解説◆
中国では歴史上、「皇帝などの名(主に諱<いみな>)に用いられた漢字は、(少なくともその王朝が存続する限り)用いることができない」との強い風習があった(避名諱)。そのため、一般名詞でも用語が変更されり、該当する漢字の画を1つ省略するなどの方法が用いられた。
現在でも影響が残っている例としては、古い漢訳では「観世音菩薩」とされていた仏を、唐代の僧である玄奘が「観自在菩薩」と変更し、略称としては「観音菩薩」が定着したことがある。唐の2代皇帝の太宗の名が「李世民」であったので、「世」の字は使えなかったからだ。
中国人の多くは、自国の歴史を誇りとしながらも、「宦官制度」や「纏足」など、過去には多くの悪習があり、自国の正常な発展が阻害されたとの意識を持っている。皇帝などを「過度に特別扱い」することも、「現在では受け入れられるはずがない」と考えることが一般的だ。
そのため、自国に存在した「避名諱」の方式や発想が残っているとして、日本人や日本社会に「違和感」を持った人が多かったと解釈できる。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)
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