日本でも馴染みの深い、中国のお米料理のひとつといえば炒飯(チャーハン)ではないだろうか。その代表格は、さまざまな具材が使われる「揚州チャーハン」だ。
中国メディア・新聞晨報は24日、江蘇省揚州市がこのほど新たに揚州チャーハンの基準を制定、基準を満たさないものには揚州チャーハンを名乗れなくなると報じた。

 記事は、揚州市調理協会の事務局長が揚州チャーハンの新しい基準について「揚州市品質監督局が発表した地方基準。一定の強制力を持つものだ」と説明したことを紹介。2002年に同協会が基準を発表したことに言及し、「これは業界基準であくまで参考。何の強制力もなかった」と今回の基準との違いについて語ったことを伝えた。

 そして、新たな基準について「お米のランクを定め、新鮮な鶏卵をメインとし、水で戻した干しナマコ、鶏もも肉など8種類の材料を用いて、決まった手順で炒めて作る」と定められているとし、基準を満たす店に対して「揚州チャーハンの基準に則った作り方」の称号を与える一方で、基準に反して調理した場合は称号を取り上げることになると紹介した。

 記事は、チャーハンに「強制力のある基準」を設けることに対して、ネット上では疑問の声も出ているとしたうえで、同協会の事務局長が「どんなイノベーションが生まれようが、正しい揚州チャーハンの調理基準を変えてはならない。米や材料選び、味やデザインの新たなアイデアは結構だが、揚州チャーハンが持つ『卵の香り・米飯の香り・料理としての香り』という3つの魂が失われれば、それはもう本物の揚州チャーハンとは言えない」と説明したことを併せて伝えた。

 今回明らかになった揚州チャーハンの基準ではこのほか、鶏卵を3-4個使用すること、ナマコや鶏肉のほかに中国ハム・干し貝柱・片栗粉をまぶした川エビ、干しシイタケ、タケノコ、グリーンピースを用いることといった材料面での要求や、「米飯が粒立ち透き通っている」、「赤・緑・黄色・白・オレンジが明快かつ調和している」、「風味があり、適度な歯ごたえ」、「チャーハン特有の香り」といった感覚的な規定も設けられている。

 日本のチャーハンは揚州チャーハンのように複数の具材が入っていて、それだけで食事になるものが一般的。しかし中国ではチャーハンが白飯代わりになることが多く、本当に卵だけしか入っていないうえ味の薄い卵チャーハンや、わずかに野菜が入っているだけのものなど、種類はさまざまだ。余り物を具材にしたような「揚州チャーハン」を出す店もある。
当局が基準を発表したことで、「名前だけの揚州チャーハン」に失望しなくて済むようになればいいのだが・・・。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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