中国メディアの今日頭条はこのほど、日本が開発中の先進技術実証機であるATD-X(通称:心神)と、中国が開発中の第五世代ステルス戦闘機・殲-20の性能は驚くほど違うと主張する記事を掲載した。

 まず記事は、殲-20について「ステルス機としては唯一、エンテ型を採用している」と指摘。
中国本土での防空作戦に主眼を置いているため、高い機動性と対地・対艦性能を重視した結果だ。

 また、殲-20は世界最大サイズの第5世代ステルス機で、全長20.3メートル、全幅12.88メートルとかなり大型だ。最大離陸重量は37トン、最大速度はマッハ2.5、最大航続距離5500キロメートル、作戦航続距離は2000キロメートルに達する。

 攻撃力についても、霹靂-21、霹靂-12D、霹靂-10等の空対空ミサイルを搭載できるほか、雷石6滑空誘導爆弾、雷霆2レーザー誘導爆弾も搭載可能。エンジンは国産の渦扇-15を搭載予定で、予定どおり2017年に配備されれば、ロシアを超えて世界で2番目に第5世代ステルス機を配備する国となるという。

 記事は、日本の心神について「全長14メートル前後の中型機にすぎず、殲-20よりもずっと小さい」と指摘。エンジンは実証エンジンXF5-1を搭載するが、推力は単体でわずか5トンに過ぎず、中国国産エンジン渦扇-15とは比較にならないと主張し、「全体的な戦闘力は殲-20とはまったく次元が違う」とこき下ろした。

 さらに心神は、AAM-4空対空誘導弾やXASM3対艦誘導弾、5トンクラスの衛星誘導ミサイルを搭載できるものの、小さな機体は致命的で、搭載できる武器の種類や数に限度があると指摘。エンジンの推力も小さいため、「作戦能力には大きな疑問符が付く」と主張した。結論として記事は「心神と殲-20は次元の違う戦闘機であり、将来、戦場で相見えるとしたら、心神はただ逃げるほかはないだろう」と主張した。

 中国ではATD-Xについて心神という名称が定着しているほか、先進技術実証用の航空機であることが無視され、あくまでも戦闘機として捉えたうえで論じる記事が多い。ATD-Xは先進技術実証機であり、研究のための機体であり、「戦場で相見える」ことはあり得ないと指摘しておきたい。
(編集担当:村山健二)(写真はイメージ。提供:(C)Ray Shiu/123RF.COM。記事の内容とは関係ありません)


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