広東省深セン市出身の「堅果兄弟」さんが北京市内を歩きながら工業用集塵機で大気中のPM2.5などの微粒子を集める作業を始めたのは7月24日だ。11月12日までに集めた微粒子でレンガ1つが出来た。
堅果兄弟さんは11月29日まで同活動を続けた。中国メディアの財経網などが報じた。

 堅果兄弟さんは同活動を「粉塵計画」と名づけた。「私たちの都市は、自動車渋滞の街となり、化学工場に囲まれる街となり、大規模工事の街となった。私たちが多くを求めれば求めるほど資源を多く追求することになり、粉塵を多く作り出すことになる。地球の資源が尽きる日がきたら、それは私たち自身が粉塵になる時だ」などの説明で分かるように、環境や資源問題に対する危機感が「粉塵計画」の原動力になった。

 同計画を思いついたのは2013年だった。北京などを発端に大気中のPM2.5の問題が注目を集め、堅果兄弟さんも震撼したからという。

 「粉塵計画」に用いたのは工業用の集塵機で、直径0.2マイクロメートルの粉塵まで濾(こ)すことができる。バッテリーを用いて動かすが、4時間の稼働でおおむね62人が1日かけて呼吸する空気を濾過できるという。

 堅果兄弟さんが「粉塵計画」を実行したのはちょうど100日間という。そして大気汚染で遠くがかすんだ天安門広場や五輪公園で「吸塵作業」を続ける写真を公開した。
掃除機上の吸い込み口を頭よりやや高く掲げて歩きながらの作業だ。マスクをつけている場合も多い。

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◆解説◆
 環境問題の深刻や浪費体質の社会の危険さを訴える堅果兄弟さんの意図を茶化すわけではないが、吸塵に電力を用いたことはやや気になる。中国では旧式の石炭火力発電所が多く、大気中の有害ガスおよび微粒子の排出源になっているとされる。(編集担当:如月隼人)(写真は財経網の1日付報道の画面キャプチャー。大気中の微粒子でできたレンガを示す堅果兄弟さん)


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