中国メディアの環球網は9日、ロシアの報道を引用するなどで、台湾が日本の「そうりゅう」型潜水艦を購入したがっていると紹介した上で、中国とさまざまな問題を抱えている日本に、潜水艦売却の決心をする度胸はないと主張する記事を発表した。

 台湾は1970年前半までは米国から潜水艦を購入したが、米国なその後、売却に応じなくなった。
台湾は1980年代になってオランダからヴァールトフィス級潜水艦(改良型)を2隻購入した。当初計画では6隻を購入するはずだったが、中国が大使引上げなどオランダに強い圧力をかけたため、計画が縮小されたとされる。米国は台湾に潜水艦搭載型の対空ミサイルの売却はしているが、潜水艦そのものの売却には応じないままだ。

 台湾(中華民国)海軍造船発展センターの邵維揚主任は2014年8月、台湾が潜水艦を自主開発する意向を明らかにした。

 環球網の9日付記事は、台湾が「極秘」ではあるが、潜水艦にかんしての米国以外のパートナーを探しているのは明らかと主張。さらに台湾では2013年ごろから日本の「そうりゅう」型などの潜水艦に対する関心が高まったと紹介した。

 記事はその上で、「日本が台湾に、現有の潜水艦を提供する可能性は極めて小さい」と指摘。日本は中国と多くの問題を抱えており、潜水艦を売却すれば、あらためて長期に渡って「中国と激突」してしまうとして、「日本政府はそのような決断を下せない(下す度胸がない)」と論じた。(編集担当:如月隼人)(写真は環球網の9日付報道の画面キャプチャ)


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