中国メディア・新華網は17日、浙江省烏鎮市で開かれた「第2回世界インターネット会議」に出席した中国大手家電メーカー・海爾(ハイアール)の張瑞敏CEOへのインタビュー記事を掲載した。張CEOはインタビューのなかで、日本の家電企業失速の理由について言及している。


 記事は、「日本の多くの伝統企業、とくに家電企業は日に日に衰退しているが、それはインターネットという重要な利器を使えていないからだ」と話しを向けられた張CEOが「それは非常に考える値する問題だ」と語ったことを紹介。とくに家電分野では日本を師としてきたからこそ発展してきたとしたうえで、「考えるべき問題は、日本企業の質も研究開発も、ブランドも低下していないのに、突然赤字を出すようになったということ。私は、ユーザーとの間に非常に大きな距離ができたことがおもな原因と考えている」と解説したことを伝えた。

 そして、張CEOが長年赤字だった三洋電機の白物家電部門を買収、従業員全体に市場に対する責任意識を持たせることで赤字を解消するところまでこぎつけたと語るとともに、「日本企業の従業員は非常に努力するし、会社も非常に優秀だ。しかし、インターネットが要求するものは『緊密さ』。ユーザーとの距離があっては、面倒が起きる」としたことを紹介した。

 ある時代において相当な勢いを誇っていた者も、時代が変わってしまえば途端に没落の危機に瀕するというのは万古不変の摂理と言える。まさに「祇園精舎の鐘の声」を聞くような思いだ。もし日本の家電企業が本当に衰退の一途をたどっているのであれば、その根本にあるのは「時代の変化についていけない」ということだろう。

 圧倒的なスケールを武器に、中国がこれからの世界をリードしていくことはほぼ間違いない。そして、インターネットの普及によってわれわれ市民の生活も大きく変化した。かつてない勢いで急速に変わりつつある世の中で企業が生き残るには、確かに時代とユーザーにピッタリと寄り添い、変わる必要がある部分を変えていける柔軟さが求められる。
(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


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