中国メディアの澎湃新聞はこのほど、熊本県の幼稚園で上半身裸になった園児たちによるマラソン大会が行われたことを伝え、中国で大きな注目が集まった。

 それもそのはず、東洋医学の考え方が浸透している中国では、体を冷やすことは病気の元であると考えるうえ、一人っ子政策によって子どもたちは過保護に育てられているためだ。
中国人からすれば、冬に子どもたちを上半身裸にしてマラソンをさせるなど常識ではなかなか考えられないことなのだ。

 中国メディアの環球網は、日本の幼稚園で行われた上半身裸の園児たちによるマラソン大会について「スパルタ教育という父と、武士道という母の間に生まれ、軍国主義によって取り上げられた社会現象である」と主張する記事を掲載、スパルタ教育と武士道、さらには軍国主義の融合によって生み出された鍛錬であると論じた。

 記事はまず、日本では古来より苦しい修行によって精神を鍛えるという伝統があると紹介。仏教の僧が苦行を行うことや、忍耐や忠誠を美徳とした武士道の存在を挙げたうえで、こうした歴史的背景が日本の「鍛錬教育」につながったとの見方を示した。

 さらに記事は、日本が明治維新を経て、明治政府が誕生すると欧州に使節団を送り、欧州の教育制度の視察を行ったと紹介。当時の欧州では各国が植民地化に向けて戦争を行っていたとし、その欧州から日本はスパルタ教育を導入したと主張。

 その後、日本では近代的な教育制度が整備され、軍国主義のもとで第2次世界大戦の終戦まで「鍛錬教育」が実施され続けたと論じており、幼稚園で行われた園児たちの上半身裸のマラソン大会もその名残であると主張している。幼稚園児たちのマラソンが上半身裸で行われたのは、あくまでも精神的、肉体的な鍛錬を目的にしたものと推測され、中国メディアが推測するほど深い背景があるものなのかは疑問だ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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