中国政府・外交部の華春瑩報道官は24日の記者会見で、「中国の工業分野における生産能力の過剰が、世界経済に危害を与えている」との言い方に対して、中国は世界経済に大きく貢献しているなどと反論した。

 中国におけるヨーロッパ連合(EU)企業の団体である「中国欧盟商会」は23日に発表したリポートで、中国経済における生産能力過剰は極めて深刻と指摘。
中央政府は10年前から解消に力を入れているが、粗鋼、電解アルミ、石油精製、ガラス、造船、製紙・段ボールの分野などではかえって深刻化していると指摘。大きな原因として地方政府による保護主義だと主張した。

 華報道官は、「生産能力の過剰」の問題が存在することは認めたが、中国経済が30年間にわたり続いた高度成長を脱却する過程における構造調整にともなう現象であり、中国政府が主体的にコントロールした結果と主張。

 華報道官は「最近になり、中国経済の世界経済への貢献度は50%になった」、「中国経済は昨年、外部環境からの下降圧力が増大する状況にありながら、中国のGDPは依然として、全世界の経済規模の14%を占めた。全世界の経済成長の25%は中国によるものだ。中国は全世界経済に対して、突出した貢献をしている」と主張。


 中国欧盟商会のリポートについて「どうしてそんな結論になるのか理解できない」と批判し、「中国経済は構造経済を経て、世界経済の成長にこれまで以上に貢献するようになるのは必然だ」と述べた。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)


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