爆発が発生したのは福建省福州市内のマンションの1室だ。轟音の出どころはトイレ兼用のシャワールームと見当がついた。様子を見ようとベッドルームを出たところ、プラスチックが焦げたようなきつい臭いがした。思わず咳き込んだ。電灯をつけると、黒い煙が立ち込めていた。シャワールームにおいていた赤いバケツが、リビングルームに転がっていた。
シャワールームに行くと、便器の真上の壁に取り付けている熱水機が破壊されていた。
「もしも、トイレを使っている最中の爆発だったら、どうなったろう」と恐くなったという。
奇妙だったのは、水道管がはずれているのに、水が噴き出さなかったことだ。しばらくして、シャワールームから壁を隔てた共用スペースの通路で、水の音がしているのに気づいた。急いで玄関を開けて外の様子を見ると、壁から水が噴き出ていた。壁が割れ、レンガが飛び散っていた。同じフロアに住む人が集まり始めた。放置できないのでフロアの元栓を閉めた。結局、10世帯が断水することになった。
熱水機の爆発と同時に、水を通じて強い圧力が加わって壁内部の水道管が「誘爆」したと見られている。
熱水機を製造したのは、中国資本の有名家電企業だった。
人民日報系のニュースサイト、人民網は24日付で、同社の責任者が「正規店以外の業者に修理を依頼したので、爆発したと主張」と報じた。ただし、同社技術者などが爆発した熱水機を調べたとは書かれておらず、業界からは「第三者機関が一定の時間をかけて調べないと、原因は分からない」との声が出ているという。
同記事はまた、福建省政府の質量監督検験驗局が「熱水機の温度調節装置が不具合になっても、爆発しない」と見方を示した。ただし、同記事は25日までに閲覧できない状態になった。転載した大手ポータルサイトの網易からも、同記事は消えた。しかし一部のサイトでは25日午後6時20分現在(日本時間)も掲載が続いている。(編集担当:如月隼人)(写真は中国網の23日付報道の画面キャプチャー)
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