記事は、天皇陛下が2001年のお誕生日に際してのお言葉に「桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫であると、続日本紀に記されていることに、韓国とのゆかりを感じています」との部分があったことで「韓国人は異常に興奮した」、「喜びを隠すことができなかった」と紹介。
記事は、「報道によれば、日本の天皇家と韓国の王朝の血縁は、証明されたわけではない」とした上で、韓国では「天皇家と韓国の血縁説」に大きな影響を与えた研究者として上田氏が注目されるようになったと紹介。上田氏の死去を知った韓国メディアは「恩人を追悼するよう」に大きく報道したという。
記事は、韓国で発表された記事の見出しには「日本の天皇は百済の子孫と広めた日本の歴史学界の巨頭だった上田氏が逝去」、「韓国史と韓国人を愛した日本古代史の偉人だった」などの文字が躍ったと紹介。
記事本文でも「上田氏は、国家主義にそまった近代における日本の古代史学界で、新たな風潮を巻き起こした」、「上田氏は生前、日本の建国神話が(韓国の建国神話である)檀君神話の影響を強く受けていると主張した」、「朝鮮半島から渡来した人は『帰化人』と読んでいたが、(上田氏は)日本中心の呼称であるとして『渡来人』と称した」など、上田氏の業績を絶賛する表現が並んだと言う。
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◆解説◆
天皇家に百済王家の血筋が入っているかどうかは別にして、日本人としては「自分らの祖先は朝鮮半島を含む東アジア、場合によっては南方の島から来た」と納得しているのではなかろうか。とすれば、記録もかすかな古代の血筋について、それほど大騒ぎする必要はないように思える。
中国人にとって、「血統」は日本人の感覚と比べれば、はるかに重みをもつ。それにしても韓国における上田氏の扱いは、「ふつうではなく」感じられたようだ。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C)jipen/123RF.COM。百済時代に作られたとされる公山城)
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