経済産業省によれば、「地球上の存在量が稀であるか、技術的・経済的な理由で抽出困難な金属のうち、現在工業用需要があり今後も需要があるものと、今後の技術革新に伴い新たな工業用需要が予測されるもの」と定義されるレアメタルのうち、スカンジウムなど17元素については「レアアース」と呼ばれている。
尖閣諸島(中国名:釣魚島)沖で2010年に発生した漁船衝突事故をきっかけに、中国はレアアースの輸出制限を実施した。中国側は否定しているが、輸出制限は一般的には中国の報復措置であると認識されており、レアアースの調達を中国に依存していた日本は一時的に苦しい立場に追い込まれた。
しかし、日本はその後、中国以外のレアアース調達先を開拓したほか、レアアースを使わずに製品を作る技術や廃棄された製品からレアアースを回収する技術などを確立したことで、中国からのレアアース輸入を減少させることに成功した。また、中国はレアアースが重要な資源であることを認識しているはずだが、中国国内では違法採掘や密輸も多く、管理が適切になされていない現状がある。
中国メディアの生意社は、中国のレアアースをめぐる一連の措置や管理を批判し、「このままでは中国はレアアース小国に成り下がってしまう」と危機感を示しつつ、日本は中国から安価でレアアースを調達し、大量に貯蔵していると指摘、「レアアースが産出されない日本は今やレアアースの消費およびレアアース製品の輸出大国になろうとしている」と主張。いつの間にか、レアアース資源のある中国と消費国の日本の立場が変わりつつあることに危機感を示している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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