台湾企業の鴻海が日本の大手家電メーカー・シャープを買収したことが大きな話題となったが、中国系企業による日本の家電企業買収の「元祖」とも言えるのが、2012年のハイアールによる三洋電機白物家電部門の買収劇だろう。

 中国メディア・北方網は20日、日本で売れる全自動縦型洗濯機の3台に1台がハイアール製であるとする記事を掲載した。
記事は、世界的な市場調査機関・GFKが先日発表したデータで、今年1-6月の日本の全自動縦型洗濯機市場において、ハイアールの洗濯機が36%でトップだったと紹介。「日本では全自動縦型洗濯機が3台売れるうち1台がハイアール製だ」と解説した。

 そのうえで、同社が日本の消費者のニーズに合わせて省スペースな小容量洗濯機にターゲットを定めて売り出したところ、日本市場における影響力が急速に高まったとしている。また、同社の洗濯機は日本のみならず世界においても競争力や知名度が徐々に上昇しているとも伝えた。

 記事は、同社の洗濯機が日本をはじめとする世界で好調な売り上げを見せる背景として、「世界のユーザーによる、ハイアール洗濯機製品への信頼のみならず、ユーザーのニーズに沿って世代交代や技術革新を行ってきたことによる結果だ」と紹介している。

 現在、日本の家電量販店などでハイアールのロゴをよく見かけるのは、冷蔵庫と洗濯機の売り場だろうか。いずれも、1人暮らし用を始め、シンプルで省スペースな家電製品を必要とするユーザー層に狙いを絞っている印象だ。ドラム式洗濯機が普及した今でもなお根強い人気を誇る縦型洗濯機でトップのシェアを獲得したというのは、同社製品に対する認知度や信頼度の高まりを示していると言えそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)Ito Emi/123RF)


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