観光庁の「訪日外国人消費動向調査」によれば、2016年4-6月期に日本を訪れた中国人旅行客のうち、電気製品(カメラ・ビデオカメラ・時計を除く)を購入したのは調査対象となった中国人全体の30.5%だった。前年同期の数値は42.8%だったことから、電気製品を購入する中国人が明らかに減少していることがわかる。


 同調査における電気製品には、爆買いの対象だった電気炊飯器も含まれているが、中国メディアの中華網はこのほど、中国人旅行客が日本メーカーの電気炊飯器を買わなくなった背景には、中国メーカーの電気炊飯器の品質が向上したことにあると主張した。

 記事は、15年に中国人旅行客たちが日本で電気炊飯器を爆買いしたことは「中国の家電メーカーの顔を平手打ちした」ようなものだと指摘。しかし、中国の家電メーカーはこれを「ビジネスチャンス」と見て、質の高い電気炊飯器を開発、販売し始めたと説明した。

 爆買いをビジネスチャンスと見て電気炊飯器の販売に力をいれた中国メーカーのなかには、美的(Midea)、格力(GREE)、小米、蘇泊爾(Supor)、九陽(Joyoung)、伊莱特(Enaiter)などが含まれている。記事は、ある中国の大手家電メーカーの経営責任者が「まさに爆買い事件がきっかけで製品開発に着手した」とコメントしていることを伝えている。また別のメーカーの経営責任者は、品質の高い電気炊飯器を「庶民的な価格」で販売することにより、「外国の月は中国の月より丸い」という迷信を打ち砕く意欲を示しているとも伝えた。

 仮に中国メーカーの電気炊飯器の品質が日本メーカーの製品にわずかに及ばなかったとしても、価格が圧倒的に安ければ、コストパフォーマンスを重視する中国の消費者たちは中国メーカーの製品を選ぶだろう。観光庁の統計は、こうした状況が電気炊飯器以外の電気製品にも見られることを示しているのかもしれない。

 爆買いブームは、中国人消費者たちが今どのような商品を求めているかを中国メーカーに教えることになった。16年4-6月期の統計からは中国人旅行客の76.9%が「化粧品・香水」を購入したことが分かるが、今度は中国の化粧品メーカーや香水メーカーが品質を高めた製品を開発し、日本から爆買い消費を奪うことになるかも知れない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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