台湾・桃園市の史跡である忠烈祠(元・桃園神社)の修復工事が進む中、民進党の鄭文燦・同市長が12日に「修復後には忠烈祠・桃園神社園区という名前にする」と語ったことが、台湾メディアによって先日報じられた。台湾統治時代の名称復活の動きに大陸側は「媚日だ」と警戒感を強めている。


 中国メディア・新華網は22日、「台湾の一部政治家による『媚日』はどういうことなのか」とする記事を掲載した。記事は、近ごろ台湾政界で再び「媚日という歪んだ風が吹き始めた」として、桃園神社の件について紹介。また、台中市も「台中神社」の鳥居の再建をスケジュールに組み入れたと伝えた。

 台湾世論は「多元的文化の保護を名目に一部政治家が神社の修復を行おうとしている」と分析しているとする一方で、実際は島内の「中華文化至上」の状況を改め「脱中国化」を図ろうとしているのであるとの見解を示した。

 さらに、今年5月に民進党が政権を獲得して以降に「媚日」の動きが活発化したとして、駐日代表に就任した謝長廷氏が「日本が台湾を統治し始めた時代は、日本が最強だった頃。その時代に台湾に建てられたものは最高のものであり、台湾はこの時代に非常に進歩したと思う」と語ったこと、6月末に沖縄で台湾出身戦没者をまつる「台湾之塔」が完成した際、台湾独立派の政治家が現場に赴いて招魂を行ったことなどを挙げた。

 記事は一方で、日本にとって台湾は1つのコマに過ぎず、台湾の一部政治家が「台日友好」を吹聴しても、日本の政治家は何の躊躇もなく台湾を切り捨てる可能性があると主張。かつて駐日代表を務め、2003年に死去した林金莖氏が「日本人だってその内心は、われわれを見下している」という言葉を残したことを挙げ、「すでに死後10年あまりが経っているが、感嘆に絶えない」と評している。

 台湾がかつて50年間にわたり日本の統治を受けたのは事実であり、その期間中に70カ所近い神社が建造された。1970年代に日本と中華民国が断交したことで神社の取り壊しが進んだが、桃園神社は文化財として保存されて現在に至っている。記事の内容は、蔡英文政権発足後から続く、民進党政権に対するネガティブキャンペーンの一環と言えそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)Chan Richie/123RF)


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