記事は、声優やナレーション業というのは他のパフォーマンスと同様、専門のトレーニングと膨大な練習量を必要とするものであるとした。そして日本では、アニメやゲーム産業の発達に伴って大量の声優が必要となったことが、レベルの高い声優を生み出す最も重要なベースになっていると説明。大きな市場が声優軍団を生み出し、競争の中でアイドル級の声優が出てくるのであると論じている。
また、声優はアニメやゲームの人気上昇に大きく貢献しており、今の日本では多くの若者が声優を志望していると紹介。よい市場があり、トレーニング機関があり、競争があり、そして若者の情熱があるという好循環が生み出されているゆえに、日本の声優産業のレベルもおのずと高まるのであるとした。
一方、中国では、声優の仕事は主に吹き替え作品、ナレーション、広告などといった分野に限られていると説明。しかも、吹き替え版よりも字幕版を好む傾向があること、国産の大型アニメ作品では著名芸能人が声を担当するケースが多くなっていることから、活動の幅がさらに縮小していると紹介した。さらに、地方で制作される作品はコストを抑えるために学生やアマチュアを起用する事しかできない状況であると解説した。
そして、声優界における「市場の規範化の不足、教育の不足、そして重視されない状況」が、中国アニメ界の問題になっているとし、声優産業だけで日本に追いつくことはできず、映像と音響全体の産業における差として見なければならないと論じている。
日本でも近ごろ、話題のアニメ作品や洋画の吹き替え作品に、本職が声優ではない俳優やタレントを起用するケースが増えている。その傾向に賛否両論の声が出るのは、声優というプロの仕事に対するリスペクトを抱いている人が、少なからずいるからなのだろう。
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