記事は、「日本のネット上で行われた調査で、日本人が最も崇拝する中国人は曹操であるとの結果が出た、と言う人がいるが、これは間違いである」と説明。「本当に日本人が心から崇拝したのは、明代の聖人・王陽明だったのだ」と伝えた。
そして、王陽明が唱えた心学は明代に最も大きな影響力を持った哲学思想であり、「知行合一」(知識と行動は不可分のもの)という思想によって、孔子、孟子、朱熹と並び称される程の地位を確立したと説明。一方で、「歴史を知らない中国人でこの人物を知っている人は少ないだろう」としている。
記事は、王陽明の思想に心酔し崇拝した日本の人物について紹介。ロシアのバルチック艦隊を破った東郷平八郎のほか、倒幕のリーダーだった西郷隆盛、明治の元勲・伊藤博文、日露戦争の総指揮にあたった山縣有朋などの政治家、軍人を挙げた。また、三菱財閥の創始者・岩崎弥太郎、国立銀行の創始者・渋沢栄一、早稲田大学を創設した大隈重信、日本の経営界のカリスマ・稲森和夫氏も「王陽明の追随者である」と紹介した。
さらに、蒋介石がかつて「日本留学中、列車でも船でも多くの日本人が王陽明の『伝習録』を読み、精神を集中させて思索に耽っていた」とし、本人も書店に駆け込んで王陽明の著作を買いこみ研究するようになったと語ったというエピソードも併せて伝えた。
日本人の思想に影響を与えてきた中国の歴史上の人物は、枚挙に暇がない。大陸から伝わって来る様々な人物のエピソードや思想、講話を吸収し、現地の社会に合わせて消化する過程を繰り返してきたことで、日本人の思想は形作られてきたのだ。記事のように王陽明だけを「最も崇拝する人物」とするのは憚られるが、彼が日本人、そして日本の運命に多大な影響を与えた人物の1人であることは間違いないのである。
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