中国メディアの今日頭条はこのほど、中国産レアアースの世界におけるシェアが低下傾向にあることを紹介し、危機感を示す記事を掲載した。
記事は現代の最新兵器、例えばF-22やF-35といった戦闘機のエンジンがその性能を存分に発揮するためには、レアアースが欠かせない材料であると指摘。また、米国の軍事兵器のレベルが世界をリードする水準にあるのは、米国のレアアースを加工する技術が世界最先端の水準にあるためだと指摘。つまりレアアースを加工し、付加価値の高い製品を作れるかどうかが、軍事力の差に直接影響するとの見方を示した。
続けて、中国産レアアースの世界シェアは20世紀においては圧倒的な世界一であり、90%以上のシェアを維持してきたとしながらも、近年は乱採掘などによって埋蔵量が急激に減少していると指摘。
さらに、米国がレアアース輸入量全体の90%以上を中国から輸入する一方で、「中国という競争相手の実力を弱める」ために、中国からレアアースを「低価格」で大量に輸入していると強調した。また、レアアースはとりわけ軍事分野において非常に重要な存在であるため、中国は日本や米国へのレアアース輸出を制限すべきであると提言した。
2010年、中国の漁船が尖閣諸島(中国名:釣魚島)近海で日本の巡視船と衝突する事件が起き、中国は事実上の報復措置としてレアアースの輸出制限を行った。その結果、レアアースの価格は一時的に高騰したものの、日本ではレアアースを使用しない技術の開発や、レアアースの供給ルートの開拓が行われた。記事は今なおレアアースの輸出制限を行うべきと主張しているが、輸出制限によって自国のレアアース産業が苦境に直面した事実を忘れてしまったのだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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