中国で一般的な「夫婦と子供と祖父母」の3世代同居の家族構成が急速に崩れていくかもしれない――。ホットリンクグループの調査会社、トレンドExpressが中国のSNS新浪微博を使って実施した「80後(1980年代生まれ)」「90後(1990年代生まれ)」の意識調査で、中国の20代は夫婦2人と子供の核家族を強く望んでいることが明らかになった。


 トレンドExpressの調査は、2017年3月1日~3月3日に実施。「80後」と「90後」の男女50名ずつ、合計200名を対象にした。未婚:既婚の比率は、80後が23:77、90後は68:32。今年、28歳(89年生まれ)~37歳(80年生まれ)となる80後の世代は、8割近くが結婚している。回答者の居住地域は、多い順に広東省、上海市、北京市、重慶市、浙江省。江蘇省になっている。

 まず、「欲しいもの(お金以外)」を聞くと、すでに結婚している80後がトップに挙げたのが「車」、続いて「家」だった。また、昨年全面解禁された「ふたりっ子政策」を受けてか、「第二子」が「結婚相手」(3位)、「子供」(4位)に続いて5位にあがってきた。

 一方、90後(18歳~27歳)ではトップが「結婚相手」。続いて、「車」、「就職先」、「家」となる。結婚願望はあるものの、相手が見つからない多数派の存在がうかがえる。新浪微博の書き込みには、「90後には3つの『不(しない)』がある。
家を買わない、車を買わない、結婚しない、だ」というものがあるという。「親に援助してもらえないと買えないようなものは買わない」という90後の独立志向の強さが感じられる。しかし、3位に「就職先」、6位に「転職先」があがってくるように、就職活動には苦労していることがうかがえる。(写真は、90後世代が欲しいものTop10、トレンドExpress調べ)

 そして、アンケートで「理想の家族構成」を聞いたところ、80後と90後の違いがくっきりと表れた。80後では「夫婦と子供と祖父母」の3世代同居が1位だったものの、90後では親との同居は3位に後退。「夫婦と子供複数人」「夫婦と子供1人」という核家族を理想にあげた。

 中国では、保育園が日本のように普及しておらず、出産後の女性は祖父母に子育てを任せて職場復帰することが一般的。独立心が旺盛といわれる90後世代は、これまで中国の親子関係で典型的とされた親が子供の結婚相手も新居も車も用意するという親依存の生活からの脱却を強く意識しているようだ。


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