2016年公開のアニメ映画「君の名は。」は、日本にとどまらず中国でも大ヒットし、日本映画として過去最高の興行収入を記録した。中国における日本アニメの根強い人気を示すとともに、観客の多くが若者だったことも「アニメは子どもが見るもの」という中国アニメとは一線を画していることをうかがわせる。


 とはいえ、近年の中国では日本アニメがテレビで放送されることはまずないという。中国メディアの今日頭条は24日、中国で大人気の日本アニメが「国内のテレビでは基本的に見られない」という矛盾を分析する記事を掲載した。

 記事によれば、1980年から90年代には中国で多くの日本アニメがテレビで放送されていたようだ。当時中国のテレビはチャンネル数が少なかったにも関わらず、ドラゴンボール、スラムダンク、爆走兄弟レッツ&ゴー!!などの日本アニメが放送され大人気となった。では、チャンネルの数が格段に増えた現在、日本のアニメが放送されることがないのはなぜだろうか。

 記事は、個人の意見として、「中国産のアニメを守るため」、さらには「日中関係の余波」を指摘した。だが、国策として日本アニメを締め出したことで、中国産アニメが振興するどころか、むしろ「逆効果」に終わり、中国産アニメの質は落ちたと主張した。

 しかし、現在はインターネットの普及により、日本アニメが放送されなくとも誰も困っていないという。ネットを開けば好きな日本アニメを見ることができるので、テレビが日本アニメを禁止するならすれば良いと記事は結論づけた。

 これに対し、中国のネットユーザーから、日本アニメの禁止は「洗脳のため」ではとの意見が多く寄せられた。低年齢層を対象に作られた中国産アニメは、国に必要な思想を「赤ん坊の時から」国民に刷り込むのにうってつけ、というわけだ。一方、日本などの海外アニメは対象年齢が幅広く、思想が自由なため、中国にとっては不都合なのだという。
また、中国人に大人気のジブリ映画を引き合いに出し、日本アニメは過去の反省や、反戦を題材にしたものが多いと中国との違いを指摘する人もいた。

 テレビでは放送されていなくても、中国では日本アニメの人気が全く衰えていないようだ。中国アニメの質が今後改善されるかどうかは不明だが、レベルが高く、大人も楽しめる日本アニメはこれからも世界で愛され続けるに違いない。(編集担当:村山健二)(イメーシ?写真提供:(C)huhai/123RF)


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