日本は食の安全に厳しいことでよく知られているが、日本と中国とでは食の安全に対する意識にどれだけの開きがあるのだろうか。中国メディアの快資訊は6日、日本の食の安全に対する意識の高さを称賛する記事を掲載した。


 記事は、「日系企業に土地を貸したら5年も放置してやきもきした」という、中国でよく知られた逸話を紹介。これは、2006年に日本企業が共同出資して山東省にある広大な土地を20年契約で借りたというものだ。

 最初の5年間は一切作付けせず、雑草が生えるに任せていたため、地元住民をやきもきさせたそうだ。5年間も何もしない理由がわからず、「お宝が埋まっているのではないか」と思う人までいたという。日本企業にとっては赤字になるばかりであり、そう思うのも無理はない。

 5年後にはようやく動き出したが、まず牛を放牧し、牛糞をたい肥にして土地を改善し、無農薬の草を食べた牛で上質の牛乳を搾乳するという方法で、またしても地元農民の冷笑を受けたという。農民たちは、収穫量を増やすためにはとにかく化学肥料と農薬を大量に使わなければならないと思い込んでいたようだ。

 そのうえ、除草剤もまかないばかりか、採算を度外視して「牛に人間よりも良いものを食べさせていた」ことにもあきれていたようだ。牛の食べるものはすべて検査し、搾乳した牛乳も、基準に達していなければすべて捨てるほどの徹底ぶりだったとしている。

 しかし、結果的には土地が肥沃になり、トウモロコシ、いちごなどを栽培して循環型農業を実現させ、作物は高額で取引されるようになり黒字に転じたという。需要は大きく、供給が付いていかないほどの人気だという。日本と中国には根本的な考え方の違いがあると言って良いだろう。


 記事は、中国人から嘲笑された「5年も土地を放置」した日本人のやり方には、根本に「作物を作る前に土を作れ、土を作る前に人を作れ」という考え方があったと紹介。食べるものにも困っていたこれまでの中国では、作物の収穫量ばかりに重きが置かれ、化学肥料を大量に使用してきたが、今は時間をかけて変わるべき時だと訴えた。しかし、すぐに目に見える結果を求める傾向のある中国では、この方法はなかなか受け入れられないのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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