日本の若者は物欲がなくなっていると言われて久しい。堅実で高望みをしない若者を指して「さとり世代」という言葉が生まれたほど、これまでの世代とは一線を画している。
それと比べて、お金や物への執着心が強く、野心的な人が多い中国の若者とは、同じ世代でも全く異なっていると言えるだろう。中国メディアの快資訊はこのほど、自動車への考え方からみる日本と中国の若者の違いに関する記事を掲載した。

 記事はまず、日本の若者の自動車離れに言及。日本は、トヨタという自動車販売台数で世界一の企業を有しているにも関わらず、日本の若者は自動車よりも自転車のほうに興味があるという矛盾を指摘した。ある調査によると、日本の若者が最も欲しいのはスマホで、自転車が3位、自動車は5位、マイホームが8位だったという。

 これには、日本の都市部は公共の交通が発達しているため、自動車がなくても生活できることや、経済的な理由が関係しているようだ。「日本では自動車は安く買える」と記事は指摘しているが、駐車場や税金など維持費は決して安くはない。記事は、日本人は自動車を買うとしても燃費の良い小型車を選び、政府もエコカー減税などで環境負荷の小さい自動車を優遇していると紹介した。

 しかし、最大の理由は価値観の違いだろう。日本の若者の欲しいものランキングで、「マイホーム」が8位だったことについて記事は、中国の若者にとっては欲しいというより「必要なものトップ2が家と自動車なのに」と驚いている。中国では、この2つが用意できなければ結婚できないと一般的に言われている。

 しかし、実際には中国も都会は交通の便が良いため、必ず自動車が必要というわけではなく、ステータスの象徴、つまりメンツの問題という側面が大きいのだろう。
中国人の若者は、そのためにはローン地獄に陥ることもいとわないことを考えると、むしろ「さとり世代」と言われる日本の若者は生きていくのに何が必要なのか見極める理性があると言えるのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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