インターネットの普及や娯楽の多様化などを背景に、日本ではテレビの視聴率が低下傾向にあると言われているが、これは中国も同様だ。中国の都市部におけるスマホ普及率は非常に高く、インターネットの台頭がテレビの視聴率に与える影響は日本より大きいかもしれない。


 そんな中国でも、かつては視聴率が80%に達するような人気のドラマが存在した。しかも、そのドラマは日本のドラマであるというから驚きだ。中国メディアの澎湃新聞は25日、日本がまだ昭和だった頃の「朝の連続テレビ小説のヒロインが、日本のみならず中国を感動させた」と伝える記事を掲載した。

 どのようなドラマが流行するかは時代によって異なるものだが、記事は35年前に日本で圧倒的な視聴率を記録したNHKの朝の連続テレビ小説「おしん」を紹介し、このドラマの平均視聴率は52.6%、最高で62.9%を記録したと紹介。そして、日本での放送終了から1年後に中国で放送されると、中国でも爆発的な人気となり、最高視聴率が80%に達したと伝え、「当時の中国では1台の白黒テレビを大勢の人が囲み、異国の少女おしんの運命に涙を流したものだ」と伝えた。

 「おしん」は、貧しい農家に生まれた少女が家族の生活苦から幼くして奉公に出され、その後も苦労を重ねて成長する生涯を描いたドラマだが、記事は、「どんな苦境に直面しても負けずに健気に、希望を持って強く生きる少女の姿は中国人の心も掴んだ」と振り返っている。おしんは、かつての日本人に見られた姿であったと伝えつつ、その姿は「日本人だけでなく、中国人をも奮起させるものだった」と主張した。

 また、「おしん」は、「急激な成長を遂げ、現代化に成功させた日本人の苦労を描いたドラマとして、中国人の手本や目標としての役割も果たした」と分析し、日本のドラマが描き出した人間像や家族の姿は中国人に大きな影響を与えたと主張した。また、その影響力は時間が経っても色あせることなく、2006年にもデジタルリマスターされた「おしん」が中国で再放送された際にも高い視聴率を記録し、累計1億人もの人が視聴したと紹介し、中国で「おしん」は名作ドラマとして知られていると伝えた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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