最近の中国では、日本の製造業は衰退したとの論調が多く見られる。これはスマートフォンや家電の分野で中国市場では日本メーカーをあまり目にしなくなったことと関係があるだろう。
しかし、中国メディアの今日頭条は5日、日本の製造業は衰退したわけではなく、中国が学べることがあると指摘する記事を掲載し、日本の製造業が強いと言える6つの理由を紹介している。

 その1つは、最近の輸出管理強化で知られるようになった、「韓国の半導体産業が日本に依存していたこと」だ。韓国は脱日本を試みているが実現は難しく、半導体材料は中国や台湾でも生産できるものの「品質では遠く日本に及ばない」といかに日本に依存しているかを伝えた。

 2つ目は、カメラやバイク、さらにはCMOSイメージセンサなどの「得意分野」が高い競争力を持つことだ。3つ目は、「スマートフォンの部品」も日本製品から離れられないと指摘している。中国ではファーウェイをはじめとして中国メーカーが大きなシェアを占めているが、「スマホから日本製品の部品を排除したら生産できない」と指摘している。

 4つ目は、「旅客機にも多く日本製品が使われている」ことだ。ボーイング787には日本企業の「炭素繊維強化プラスチック」が使われていると言われる。機体部分の35%、それも主翼や胴体構造といった主要部分も、富士重工業、川崎重工業、三菱重工業の3社が担当しているとも伝えた。

 5つ目には、「工業ロボット」の強さを紹介。世界4強のうち2社は日本企業なのがそれを物語っている。6つ目には、「宇宙開発」をあげた。
はやぶさ2号が小惑星「リュウグウ」のクレーターから岩石標本を採取するための着陸に成功したことは記憶に新しい。

 記事は結論として、日本の製造業が今でもこれだけの強さを保っている秘訣は「むやみに手を広げず、それぞれが自らの専門分野を突き詰めている」ことにあると称賛している。衰退するどころか見えないところで技術を磨いていた日本企業から、中国企業も学ぶことは多いだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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