中国国内ではしばしば「中国は日本のような国になるべきだ」という人や、「日本を模倣しよう」と主張する人がいる。日本はアジア一の先進国であり、そう思うのも不自然なことではないが、中国メディアの今日頭条は29日、「日本は中国の模範ではない」と題する記事を掲載した。


 記事はまず、「なぜ日本から学ばないのか」という人に対して、「日本が主権国家であるかさえ怪しい」と、日本は中国の目指すべき姿ではないと主張した。日本は先進国で一人当たりGDPも高く、世界をリードする分野も多いものの、理想の姿ではないとしている。

 記事はその理由を、日本が「米国の犬」に成り下がっているからだと主張している。戦後、日本には米軍が駐留し、在日米軍駐留費も毎年2000億円という巨額を負担している。この駐留費に関しては、さらなる増額も要求される可能性があるほどだ。米軍が日本に駐留してからというもの、日本国内では米軍による犯罪が少なからず発生しているが、日米地位協定があるために処罰の面で国民の不満がたまり、「大国にあるべき尊厳」もないと主張した。

 また、そもそも日本は「大国」ではないと指摘。国土が小さく資源も少ない国の場合、国内で産業チェーンすべてをまかなうことはかなわず「大国になることはできない」と主張。この点、中国は国土面積も人口も十分で、米国やロシアと並んで大国としての条件を満たしているとしている。

 結論として記事は、中国は日本のような国を目指すべきではないと結んでいるが、多くの中国人は「やはり日本から学ぶことは多い」と感じているようだ。記事に寄せられたコメントを見ると、「日本人のまじめさや素養、科学、教育などから学ぶべき、国の大きさは関係ない」という人や、「良いことは学び、悪いことは学ばない」と正論を主張する人もいた。また、「権利と尊厳のある国は、国民にも権利と尊厳があるはず」と、自らを見つめなおすべきと諭す意見も見られた。
中国が日本のような国になる必要はないだろうが、日本から学べることはやはり少なくないと言えるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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