中国メディアの中国経営網によると、2018年には1,497億人の中国人が国外旅行に出たが、訪中外国人旅行者数は1,412億人にとどまり、初めて後者が前者を下回った。
同記事によると、訪中外国人旅行は、20世紀最後の20年間は、人数は年19.47%、外貨収入は年20.55%の勢いで急増し、2001年から2010年の10年間には人数は年4.6%、外貨収入は年11.1%伸びた。ところがその後勢いは衰え、年ごとの延べ人数は2016年1.38億人、2017年1.39億人、2018年1.41億人と低迷している。対照的に中国からの国外旅行者数は2016年1.22億人、2017年1.31億人、2018年1.50億人でそれぞれ伸び率は4.3%、7.0%。14.7%と増勢を強めている。
同記事は10月29日に開催されたネット旅行サイト最大手の携程旅行網(シートリップ)開業20周年記念式典上で披露された梁建章同社董事長の意見を掲載しており、それによれば、インバウンド旅行による収入がGDPに占める割合は、一般的には1~3%だが、中国においては0.3%に過ぎず、もしそれを1~3%にまで引き上げることができれば、1,000億~2,000億元の収入があり、それは貿易収支の30~60%に相当するという。
梁建章董事長は、訪中外国人旅行が低迷している理由の第一として、ホテルや航空会社など旅行のハード面は国際水準となったものの、ビザ、インターネット、決済手段、英語等の面で外国人に対して十分に友好的ではない、とした。そして第二の理由として中国旅行のイメージの問題を挙げた。一部の国では中国は安全ではなく、環境汚染がひどく、中国は遠くて怖い国というイメージがあるとし、イメージを向上する宣伝活動の重要性を指摘した。
多くの日本人にとって中国は歴史的観光資源が多数あり距離的にも非常に近いので、旅行先として大いに魅力的な国である。梁建章董事長のいう第二の理由の面での改善があれば、さらに多くの観光客が日本から中国を訪れるようになるはずだ。宣伝するだけでなく、実際に目に見える改善があることを期待したい。(編集担当:猶木縁一郎)(イメージ写真提供:123RF)
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