中国では一般的な支払方法となったモバイル決済。QRコードを使用した支払いは極めて簡単でスピーディーだが、このQRコードを発明したのは日本人だ。
中国メディアの環球時報は14日、「QRコードの父」と呼ばれる発明者の原昌宏氏へのインタビュー記事を掲載した。

 1994年にQRコードを開発した原氏は、当時の日本が不景気で開発チームも本人を入れてわずか2人だったと記事は紹介。パソコンの性能も良くないなかで苦労して2年の時間をかけて開発して特許を取得したが、「広範囲に応用してもらうため、技術特許使用料は取らなかった」と伝えた。

 中国では一時期、QRコードを使用する中国人から1人当たり1分(約1.5銭)を徴収するとのうわさが流れたが、原氏はそれをきっぱりと否定。「自分の発明したものがこんなにも広範囲に使用してもらえることはうれしい」と語っている。中国では屋台からバスや地下鉄まで非常に幅広くモバイル決済が用いられているが、「QRコードがこんなにも庶民の生活に浸透するとは思わなかった」とも述べている。


 では、なぜQRコード発祥の地である日本ではQRコードを使用したモバイル決済がそれほど普及しないのだろうか。原氏は「いまだにガラケーを使っている人が少なくないこと」、「キャッシュレス決済の手数料が高いこと」を理由として分析している。また、QRコードの未来について原氏は「セキュリティの向上」と「カラー化による情報量のアップ」を挙げている。

 中国では、特許使用料を取らないことに対する感謝の声も聞かれるが、金儲けの機会をふいにするなんてなんてもったいないと思った人はかなり多いだろう。しかし、これだけ普及したというのは、開発者本人も述べているように開発者冥利に尽きるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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