日本の「失われた20年」は、中国を始め、各国の人々の興味を引き付けているのだという。中国メディアの百家号は4日、「日本の失われた20年」について分析する記事を掲載した。


 日本の「失われた20年」が外国人の興味を引き付けているのはなぜだろうか。記事は、この20年は「失われた」ように見えるが、その間に日本は方向転換し新たなスタートを切ったと紹介。経済が急速に成長した黄金期の残した弊害を解決し、新たな日本に生まれ変わるための過渡期として、意味のある20年だったと伝えている。

 戦後の急速な経済発展は世界から注目を集めた。当時の日本は半導体産業が盛んで、輸出により多額の外貨を手に入れたと記事は紹介。その後不動産ブームが沸き起こり、日本は世界経済における地位を確立したと論じた。それで多くの人にとって失われた20年はこのバブル経済崩壊後から始まるが、実際には急速な発展から緩衝の時代に入り、この間にそれまでに明らかになった問題を解決して、健全で長期的な発展を目指すようになったと分析。先見の明があることを称賛している。

 実際に日本は、白物家電やパソコン、携帯電話など日本のお家芸とも言える得意分野を切り離して売却し、将来性のある人工知能やビッグデータ、モノのインターネット、ロボットなどに方向転換している。また、がんの研究や治療といった医療分野にも力を入れており、「人生100年時代」も夢ではなくなってきたと記事は伝えている。

 このように、日本は「失われた」と言われた20年間に、先を見据えてより強い国になるための準備を着々と進めていたとも言える。中国では、日本を恐ろしい国と表現することがあるが、一見すると成長が止まっているようでいて、実は将来への準備をしていた日本は確かに恐ろしい国なのかもしれない。
(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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