日清戦争の序盤で日本が制海権を得るに至った決定的な戦闘は黄海海戦とされている。当時の清国の北洋艦隊はアジア一の艦隊と言われていたにもかかわらず、なぜ日本の連合艦隊に敗れてしまったのだろうか。
中国メディアの百家号は10月30日、北洋艦隊が敗れた理由を分析する記事を掲載した。

 記事が指摘した理由の1つは「軍事力の違い」だ。まず、排水量3000トン以上の大型戦艦は、連合艦隊が8隻だったのに対し、北洋艦隊は鎮遠と定遠の2隻しかなかったと指摘。この2隻は排水量では日本を圧倒しており、定遠は305ミリ砲もあって恐れられていたが、この2隻頼みでは力が足りなかったと論じた。

 また、「装備が悪かったこと」も大きく影響していると記事は分析。鎮遠と定遠以外は小さな戦艦で戦力にならず、この2隻も死角のない無敵というわけではないうえ、普段のメンテナンスが行き届いておらず、肝心な時に砲弾が使えないなどの問題もあったという。


 さらに「指揮系統」もうまく機能していなかったようだ。これまで海軍力をあまり重視していなかった清国にとって、北洋艦隊は新興の軍事力で急いで作ったため、戦略などがうまくなかったと記事は分析。指揮系統がしっかりとしていた日本と比べ、指揮官の能力も劣っていて統制がとれておらず、しかも清国政府内でも主戦派と和睦派に分かれており、一致団結して戦うことができない状況だったと説明した。

 それで記事は、北洋艦隊は軍事力で日本と差があり、天の時・地の利・人の和のいずれも優位性がなく、勝ち目はなかったのだと結んでいる。装備の面では北洋艦隊は優位であったはずであり、実際に連合艦隊も少なからぬ被害を受けている。記事が指摘する指揮系統のほかにも、さらに別の要因が勝敗を左右したのかもしれない。
(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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