記事が指摘した理由の1つは「軍事力の違い」だ。まず、排水量3000トン以上の大型戦艦は、連合艦隊が8隻だったのに対し、北洋艦隊は鎮遠と定遠の2隻しかなかったと指摘。この2隻は排水量では日本を圧倒しており、定遠は305ミリ砲もあって恐れられていたが、この2隻頼みでは力が足りなかったと論じた。
また、「装備が悪かったこと」も大きく影響していると記事は分析。鎮遠と定遠以外は小さな戦艦で戦力にならず、この2隻も死角のない無敵というわけではないうえ、普段のメンテナンスが行き届いておらず、肝心な時に砲弾が使えないなどの問題もあったという。
さらに「指揮系統」もうまく機能していなかったようだ。これまで海軍力をあまり重視していなかった清国にとって、北洋艦隊は新興の軍事力で急いで作ったため、戦略などがうまくなかったと記事は分析。指揮系統がしっかりとしていた日本と比べ、指揮官の能力も劣っていて統制がとれておらず、しかも清国政府内でも主戦派と和睦派に分かれており、一致団結して戦うことができない状況だったと説明した。
それで記事は、北洋艦隊は軍事力で日本と差があり、天の時・地の利・人の和のいずれも優位性がなく、勝ち目はなかったのだと結んでいる。装備の面では北洋艦隊は優位であったはずであり、実際に連合艦隊も少なからぬ被害を受けている。記事が指摘する指揮系統のほかにも、さらに別の要因が勝敗を左右したのかもしれない。
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