記事が紹介したのは、清の時代の思想家である魏源が著した「海国図志」だ。この本は地理情報だけでなく、西洋の科学技術について詳細に紹介しており、西洋の脅威に対抗するためには西洋の技術をまず学ぶべきだと主張しているという。
記事によると、この本が日本へ伝わると「日本を大きく揺り動かし」、西洋諸国との差を知った日本は西洋の技術をどんどん学ぶようになったと主張。そして明治維新へと突入し、最終的には日本を強国にしたと説明した。確かに、幕末に日本に入ってきたこの本は、吉田松陰や佐久間象山などが読んだと言われており、当時の志士たちに大きな影響を与えたと言えるだろう。
日本人は「海国図志」によって危機意識を強くしたとも言えるが、当時の清国では評価されず、むしろ西洋を称賛するような本は許されなかったと記事は指摘。清国の統治者は国民が「愚民」である方が都合よく、国民も自分たちこそ世界の中心と思っていたため、当時の清国人の視野を広げるには至らなかったと残念そうに伝えた。
日本と清国では同じ本を読んでも全く異なる反応を見せたことが、その後の国の歴史を大きく変えたと言えるだろう。歴史に「もしも」はないものの、当時の清国が日本のような強い危機意識を持っていれば、日本よりも早く西洋化を成し遂げていたかもしれないというのは、中国にとって悔やまれることかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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