中国の自動車市場では、市場シェアの約6割を海外メーカーが占めていて、中国車はすべてのブランドの総和でも4割ほどにとどまっている。それゆえ中国では「愛国者は中国車を買うべき」という声もよく聞かれる。


 一方、韓国の自動車市場を見ると、2019年の新車販売台数は韓国国産車が約153万台だったのに対し、輸入車は24万台あまりで、多くの韓国人が韓国車を購入していたことが分かる。これは愛国心からなのだろうか。中国の動画サイト・西瓜視頻はこのほど、韓国人に「愛国心から韓国車に乗っているのか」をインタビューする動画を配信した。

 動画では、韓国人に「なぜ韓国では韓国車の割合が多いのか」を尋ねている。これに対する韓国人の回答は、「愛国心とは関係なく、コストパフォーマンスのため」だった。韓国では輸入車が非常に高く、故障すると海外から部品を取り寄せなければならないので修理も高くなると説明した。韓国では国内の自動車産業を守るため、輸入車には多額の関税がかけられている。

 これに対して、自動車を購入するのにコスパを優先して考える、という部分に反応するコメントが多く寄せられた。「中国製品も、愛国心からでなくコスパで選ばれる時が来て欲しい」と願う人や、「中国の自主ブランドは売りっぱなしだ」と嘆く人もいた。「中国メーカーは売ってしまうと、後は知らんぷりだ。中国製品は中国人を愛していない」との文句もあった。

 中国ではスマートフォンなどは品質も向上したため愛国心から中国ブランドを購入する人も多いようだ。
しかし自動車の場合、中国メーカーは安いものの満足のいくレベルの品質にはまだ到達していないようで、経済的に余裕があれば輸入車を購入する人の方が多い。結局、韓国にしても中国にしても、多くの消費者は愛国とは関係なく、理性的な判断のもとで商品を選んでいると言えそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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