農水省のまとめによれば、2020年の農林水産物・食品の輸出額は前年比1.1%(103億円)増の9千223億円と、8年連続で過去最高額を更新した。

このうちとくに大きな増加を見せたのは、かつお・まぐろ類(51億円増)。
主にベトナム向け冷凍ビンナガの輸出拡大が牽引した。また日本産ウイスキーの人気からアルコール飲料(49億円増)も好調。ベトナムで育児用調製粉乳の需要が高まる牛乳・乳飲料(38億円増)、輸出上位国で需要が増えた清涼飲料水(38億円増)なども伸びた。国別では中国、ベトナム、台湾、香港、タイなどアジア向けの増加が目立った。

新型コロナウイルス感染拡大の影響から輸出全体が前年比11.1%の減少を示した中、鶏卵やコメなど家庭内食向けの品目が増加。また上半期は低迷した牛肉や日本酒が、販売方法の改善などで下半期に回復したことも年間実績を押し上げた。


政府では農林水産物・食品の年間輸出額を19年までに1兆円とする目標を掲げていたが、いまだ達成できていない。昨年から新たに設定した目標では、30年までに5兆円を目指す。ただ、達成には毎年平均18~19%の増加が必要となる計算で、依然としてハードルは高い。