
その地に降る雨や雪が、氷河期に形成された地層の中を約15年の歳月をかけてゆっくり流れることで天然のミネラルをたくわえた清らかな水が育まれ、それを加熱・殺菌せずに、採水地から一瞬たりとも外気に触れることなくボトリングされたのがナチュラルミネラルウォーター「エビアン」。
伊藤園・伊藤忠ミネラルウォーターズの小野寺達哉社長 この加熱・殺菌してない点が、「エビアン」にカルシウムやマグネシウムの天然ミネラルが豊富に含まれている理由と説明するのは、伊藤園・伊藤忠ミネラルウォーターズの小野寺達哉社長。
「日本の安全基準もクリアし、EUの厳しい基準を全て満たしている」と胸を張る。
日本では全てのミネラルウォーターに殺菌処理が義務づけられているのに対し、EUでは逆に“殺菌しないこと”が義務づけられている。
加熱すると水の組成が変わり、本来の水が持つミネラルやおいしさのもとともいえる酸素や炭酸ガスが失われてしまうためだ。

昨今の健康意識の高まりを受け、今年は、加工せずに自然のままの状態でカルシウム・マグネシウムの天然ミネラルが含まれていることを前面に押し出して訴求していく。
「自然にミネラルを含んでいることが、国産水と明確に差別化できている点でポテンシャルがあると考えている。多くの方にミネラル分が入った水という認識をしていただけるようにアピールを強化していく」との考えだ。

この考えの下、新たに掲げられたコミュニケーションテーマは“水を飲もう。
3月25日から5月17日にかけて、トップモデルの長谷川潤さんが出演する新TVCMの放映に加えて、健康習慣と合わせて新たな体験を届ける「エビアン 2021 ミネラル体験キャンペーン」を実施している(3月22日から5月17日まで)。
CMでは、雄大なフレンチアルプスを舞台に、氷と石の間をすり抜けながら水は天然のミネラルであるカルシウムとマグネシウムを含んだ“ただの水ではない水”になっていくことが描かれている。
キャンペーンは、合計1000人に体験ギフトが当たる内容。体験ギフトは、全国約120個の体験から選べるようになっており、その中には“おうちで楽しむ体験キット”も含まれている。
体験を打ち出した点については「体験を通して健康に関心を寄せてもらい『エビアン』に結びつけていきたい」と述べる。

今年は、ボリュームゾーンであるパーソナルサイズに注力していく。水分もミネラルも一度にたくさん吸収できないことから、外出時や仕事中、スポーツ時でのこまめな補給を訴求していく。
主力の330mlのラベルは、数量限定のデザインラベルから、昨年3月に導入開始した「サンライズラベル」に戻して店頭での視認性強化を図っていく。
サンライズラベルは、フレンチアルプスの朝焼けのグラデーションをモチーフカラーとしており、日の出の頃の地平線が徐々に赤く染まっていく情景を通じて、自然なままの純粋さやユニークなミネラルバランスを表現している。

2018年1月に「エビアン」では、25年までに、全てのペットボトル製品でリサイクルプラスチック(使用済みのペットボトルを再生して作られたプラスチック)使用率100%を目指す。