同社代表取締役会長でミツカングループ代表兼グループCEOの中埜和英氏は25日の記者会見で「次世代への継承をスタートさせることを目的として新しい若い体制に移行することを決めた」と強調。将来、オーナーとしての立場を次女の聖子氏に、事業を長女の裕子氏に引き継ぐ考えを示した。
ミツカングループは、現中期経営計画をスタートさせた2019年に10年後のありたい姿として未来ビジョン宣言を策定した。中埜代表は「中期経営計画も3年目を迎え、未来ビジョン宣言の実現に向けた取り組みも方向性がおおよそ整理できてきた。ここからは、新しい役員の体制が、自分たちのものとして、より具体化させていく段階」とし、体制変更を決めたことを明らかにした。
聖子氏は資金を管理するMizkan Assetと資産を持つ中埜酢店の代表取締役社長にも就任。聖子氏について中埜代表は「次の時代のグループの事業戦略を踏まえ、それを支える資本・資産・資金のあり方を考えてもらう」「資産・資金を有効に活用し、増やし、次の世代に渡していく役割を果たしていく」とした。
一方、裕子氏について中埜代表は「経営と執行の橋渡し役となって、グループの成長戦略、計画立案、経営管理をリードし、グループCEOである私が示すコーポレートガバナンスのあり方に沿って、その構築を担ってもらう」とした。
中埜裕子社長は会見で「初代から脈々と受け継いできたもの、ミツカンらしさを大事にしていきたい」としつつ、未来ビジョン宣言について「多くのステークホルダーの皆さまとともに、その実現を目指していきたい」と強調。「共に創るという意味の共創関係を築きながら、新しいモノやコトを生み出し、お客さま、社会に貢献していけるよう努めていく」とした。
中埜聖子副社長は「私の役割は創業からの年月を超える期間を目指し、ミツカングループが持続し、成長し続けられる基盤、環境をつくること」「創業以来217年にわたり続いてきた大切な事業と資産を預かり、工夫をこらして増やし、私の次の世代につないでいく。