
エリア限定品について田中正登志R&Dグループグループリーダーは「われわれとしては各エリアで展開していきたいと考えているが、まずはこの『九州エリア限定ブレンド』がお客さまのニーズにしっかり合っているかを検証していきたい」と語る。
エリア限定品を後押しするのは「地元の飲食店を応援したい」といった地元に対する意識の変化にあるという。阿部祐美子R&Dグループ設計第一チームリーダーは「新しい生活様式の浸透で行動が制限されるなどさまざまな変化がある中で、地元やご当地に対する注目度が高まっていると分析している」と説明する。
田中正登志氏(キーコーヒー) 「九州エリア限定ブレンド」は、「あなたの住むエリアの街角にあるキーコーヒーの味わい」をコンセプトに、長年全国で営業活動を行っているキーコーヒーの強みを生かし、九州エリアの業務用市場における販売データと主要な喫茶店の味わいを分析して開発。「キーコーヒーの長い歴史と販売実績の経験を生かして商品設計したことが最大の特徴」と胸を張る。
同社は、九州エリアのコーヒーでトップシェア。中容量の家庭用レギュラーコーヒー市場では「プレミアムステージ」の「スペシャルブレンド」「モカブレンド」「キリマンジャロブレンド」の3品が売上げ上位を占めているが、「中容量レギュラーコーヒー全売上げの6割を『プレミアムステージ』が占めている状況。この高いシェアを生かし『九州エリア限定ブレンド』を投入することにした」という。

インテージSRIによると、中容量レギュラーコーヒー市場は、昨今のおうち時間増加により19年4月から21年3月の期間、前年比13%増となっている。この要因について「特に家庭で仕事をするときに、せっかくだからおいしいコーヒーでスイッチを入れて仕事しようというような心理が働いている」との見方を示す。