
アサヒ飲料の河口文彦マーケティング本部マーケティング一部コーヒーグループグループリーダー(アサヒ飲料)
アサヒ飲料は「ワンダ」で「1日の快適なONに寄り添う」のブランド方針に見合う容器としてショート缶とボトル缶の缶容器に引き続き全力投球していく。
コロナ禍で強まる気分転換ニーズに缶容器で勝算を見込む。
在宅時間の増加でレギュラーコーヒーなど手淹れのコーヒーを体験した消費者が、コーヒーの嗜好性を再認識し、それに近しいおいしさや気分転換はペットボトルよりも缶容器でより感じられると同社はみている。
この方針が奏功して「ワンダ」1-6月販売実績はショート缶、ボトル缶ともに市場の伸びを大きく上回り前年同期比4%増を記録した。
特にボトル缶の「ワンダ極」は15%増となり、ボトル缶コーヒー市場前年比を20ポイント程度上回ったとされる。
アサヒ飲料の河口文彦マーケティング本部マーケティング一部コーヒーグループグループリーダー(アサヒ飲料) 18日発表した河口文彦マーケティング本部マーケティング一部コーヒーグループグループリーダーは「ショート缶とボトル缶に注力する戦略がシェアアップにつながっている。この3カ年でショート缶は1.6%、ボトル缶は4.8%とそれぞれシェアアップしている」と語る。
秋冬に向けては、9月14日に新発売するショート缶「ワンダ モーニングショット ブラック」を最重点新商品と位置づけ、この勢いを加速させる。
朝専用をうたう「モーニングショット」からブラックを発売する背景としては、働き方の多様化で一日の中で積極的に気分転換したい場面や頻度が増加し、その気分転換用のアイテムとしてブラックコーヒーを取り入れるユーザーが増えていることにある。
「コロナ禍になって瞬間的な気分切替えニーズが増加し、ショート缶がこのようなニーズに対応して少し回復傾向にある。これにプロモーションのバックアップが加わればさらに盛り上がる可能性がある」とみている。
河口氏によると、「ワンダ」は競合商品と比べて“一日のはじまり”や“気持ちをON”のイメージが強く、このイメージとショート缶の持つイメージをかけ合わせて朝専用新商品のアイデアに至ったという。
開発にあたっては、高まる健康志向も加味した。
同社が昨年10月、約1600人を対象に実施した「コーヒー飲料の飲まれ方の変化」の調査では“砂糖を入れるのをやめた人”と“シロップを入れるのをやめた人”が上位を占めた。
「購買行動をみても、気分転換ニーズや健康意識の高まりからブラックコーヒーへの需要が増加している」との見方を示す。
このような見方を受けて開発された「モーニングショット ブラック」は、香ばしい苦みによるスッキリとした後味が特徴の無糖ブラックコーヒーに仕立てられている。
パッケージは朝にふさわしい缶コーヒーブラックを分かりやすく伝えるデザインが施されている。
高まる気分転換ニーズに対して、ショート缶で瞬間的にスイッチを入れたいニーズに対応する一方、ボトル缶の「ワンダ極」ではチビダラ飲みで気分転換したいニーズに対応する。
左から「ワンダ モーニングショット」と「ワンダ モーニングショット ブラック」。(アサヒ飲料)ショート缶で瞬間的にスイッチを入れたいニーズに対応する。 秋冬の全体戦略としては、新商品のブラック市場への定着化に注力しつつ、ショート缶・ボトル缶の基幹商品で“地盤強化”を図っていく。
「ワンダ」ブランド全体では、3月から展開している「朝ワン」キャンペーンを継続していく。
これは、“「ワンダ」が新しい朝をおもしろくする”コンセプトのもと平日毎朝、吉本芸人のお笑い動画を配信する内容となっている。
秋冬はこれに加えて人気コンテンツのデザイン缶をショート缶とボトル缶の両方で展開する。
これに伴い「デザイン缶を訴求する広告を大々的に投下し、広告とプロモーションを連動して面で大きくみせていく活動をしていく」。
デザイン缶では間口拡大を狙う。
「デザイン缶はこれまで、お客様の間口(飲用層)を広げる点で一定の効果があった。今回は40-50代の間口と奥行(飲用杯数)をとっていき、さらにはコーヒー飲料のエントリー層になりうる30代まで広げて新しい間口をとっていきたい」と期待をよせる。
店頭販促は、プロモーションとの連動に加えて、まとめ買い施策を強化していく。
6缶パック(写真)などまとめ買い施策も強化。(ワンダ モーニングショット ブラック) 1-6月は、スーパーなどの量販店でショート缶のまとめ買い需要が増加し、量販店でのショート缶販売実績は7%増を記録。「19年比でも96%まで戻してきているので、下期以降も強化していく」考えだ。
まとめ買いのインサイトについては「経済的なお得感や、コロナ禍で来店頻度が減る中で一度の買物でまとめて買う需要が発生している」とみている。
ロケーションでは、家庭外・家庭内の両方を重視。
「エッセンシャルワーカーをはじめ外で働かれているお客様の需要は減っていないため、アウトロケーションへの提案強化は非常に大事。6月に自販機限定でデザイン缶を展開したように外で働かれるお客様へのプロモーション強化を引き続き行っていく」。
一方、家庭内については「コーヒーは飲用習慣が大事だと思っている。その点、ショート缶は家の中での習慣化には至っていない。
コロナ禍で強まる気分転換ニーズに缶容器で勝算を見込む。
在宅時間の増加でレギュラーコーヒーなど手淹れのコーヒーを体験した消費者が、コーヒーの嗜好性を再認識し、それに近しいおいしさや気分転換はペットボトルよりも缶容器でより感じられると同社はみている。
この方針が奏功して「ワンダ」1-6月販売実績はショート缶、ボトル缶ともに市場の伸びを大きく上回り前年同期比4%増を記録した。
特にボトル缶の「ワンダ極」は15%増となり、ボトル缶コーヒー市場前年比を20ポイント程度上回ったとされる。
アサヒ飲料の河口文彦マーケティング本部マーケティング一部コーヒーグループグループリーダー(アサヒ飲料) 18日発表した河口文彦マーケティング本部マーケティング一部コーヒーグループグループリーダーは「ショート缶とボトル缶に注力する戦略がシェアアップにつながっている。この3カ年でショート缶は1.6%、ボトル缶は4.8%とそれぞれシェアアップしている」と語る。
秋冬に向けては、9月14日に新発売するショート缶「ワンダ モーニングショット ブラック」を最重点新商品と位置づけ、この勢いを加速させる。
朝専用をうたう「モーニングショット」からブラックを発売する背景としては、働き方の多様化で一日の中で積極的に気分転換したい場面や頻度が増加し、その気分転換用のアイテムとしてブラックコーヒーを取り入れるユーザーが増えていることにある。
「コロナ禍になって瞬間的な気分切替えニーズが増加し、ショート缶がこのようなニーズに対応して少し回復傾向にある。これにプロモーションのバックアップが加わればさらに盛り上がる可能性がある」とみている。
河口氏によると、「ワンダ」は競合商品と比べて“一日のはじまり”や“気持ちをON”のイメージが強く、このイメージとショート缶の持つイメージをかけ合わせて朝専用新商品のアイデアに至ったという。
開発にあたっては、高まる健康志向も加味した。
同社が昨年10月、約1600人を対象に実施した「コーヒー飲料の飲まれ方の変化」の調査では“砂糖を入れるのをやめた人”と“シロップを入れるのをやめた人”が上位を占めた。
「購買行動をみても、気分転換ニーズや健康意識の高まりからブラックコーヒーへの需要が増加している」との見方を示す。
このような見方を受けて開発された「モーニングショット ブラック」は、香ばしい苦みによるスッキリとした後味が特徴の無糖ブラックコーヒーに仕立てられている。
パッケージは朝にふさわしい缶コーヒーブラックを分かりやすく伝えるデザインが施されている。
高まる気分転換ニーズに対して、ショート缶で瞬間的にスイッチを入れたいニーズに対応する一方、ボトル缶の「ワンダ極」ではチビダラ飲みで気分転換したいニーズに対応する。

左から「ワンダ モーニングショット」と「ワンダ モーニングショット ブラック」。(アサヒ飲料)ショート缶で瞬間的にスイッチを入れたいニーズに対応する。
「ワンダ」ブランド全体では、3月から展開している「朝ワン」キャンペーンを継続していく。
これは、“「ワンダ」が新しい朝をおもしろくする”コンセプトのもと平日毎朝、吉本芸人のお笑い動画を配信する内容となっている。
秋冬はこれに加えて人気コンテンツのデザイン缶をショート缶とボトル缶の両方で展開する。
これに伴い「デザイン缶を訴求する広告を大々的に投下し、広告とプロモーションを連動して面で大きくみせていく活動をしていく」。
デザイン缶では間口拡大を狙う。
「デザイン缶はこれまで、お客様の間口(飲用層)を広げる点で一定の効果があった。今回は40-50代の間口と奥行(飲用杯数)をとっていき、さらにはコーヒー飲料のエントリー層になりうる30代まで広げて新しい間口をとっていきたい」と期待をよせる。
店頭販促は、プロモーションとの連動に加えて、まとめ買い施策を強化していく。

6缶パック(写真)などまとめ買い施策も強化。(ワンダ モーニングショット ブラック)
まとめ買いのインサイトについては「経済的なお得感や、コロナ禍で来店頻度が減る中で一度の買物でまとめて買う需要が発生している」とみている。
ロケーションでは、家庭外・家庭内の両方を重視。
「エッセンシャルワーカーをはじめ外で働かれているお客様の需要は減っていないため、アウトロケーションへの提案強化は非常に大事。6月に自販機限定でデザイン缶を展開したように外で働かれるお客様へのプロモーション強化を引き続き行っていく」。
一方、家庭内については「コーヒーは飲用習慣が大事だと思っている。その点、ショート缶は家の中での習慣化には至っていない。
しかし、まとめ買いでストックして、仕事に出かけるときに1本持っていったり、あるいは在宅勤務時に1本多く消費するといった新しい消費スタイルが今後出てくる可能性もある」と述べる。
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