今年のボジョレー・ヌーヴォーは18日に解禁日を迎える。コロナ禍2年目となる今年は、前年並みの販売量が期待されている。


春に霜の害に見舞われ、夏は雨が多くぶどうの収穫量は減ったが、8月中旬以降は天候が回復し、ぶどうの質は良好。「獲れたての果実のような味わい」(吉雄敬子サントリーワインインターナショナル社長)に仕上がった。

昨年はコロナ禍で外食需要が減少。家庭用は伸長したものの、ボトルワイン輸入数量は前年比93%、金額は90・6%と落ち込んだ。ボジョレー・ヌーヴォーも業務用が落ち込み、家庭用だけではカバーしきれず、サントリーの輸入量も一昨年の約7万箱(750㎖×12/箱)から昨年は約5万4千箱になった。

ボジョレー・ヌーヴォーはバブル期にブームとなり、赤ワインブームなどで定着。04年には100万箱を超えたものの、現在はその半分以下。それでも1週間で数十万箱が販売される一大イベントには変わりがなく、コロナ禍で暗い話題が多い市場にとっては期待の時期だ。

今年は外食需要が一定程度回復すると見込まれるが、家飲みの定着で家庭用も堅調に動くとみられる。サントリーの輸入量も5万5千箱(昨年比102%)と5年ぶりに前年を超え、家庭用・業務用ともに増えている。

エノテカが10月に実施したWeb調査では、今年のボジョレー・ヌーヴォー購入意向は約4割。特に20~30代は半数近くが購入する予定と回答。
いつもより少し贅沢なものを飲みたいと思うと回答した人は約7割と期待が持てる結果だ(3か月に1日以上ワインを飲む20~69歳男女)。

サントリーは、国内市場売上№1ブランドという「ジョルジュ・デュブッフ・ボジョレー・ヌーヴォー」を展開。また、昨年オレンジワインとして好評だった「同オレンジ ヌーヴォー」など計10種をそろえた。

アサヒビールは、創業130年を超える歴史を持つアンリ・フェッシ社の「ボージョレ・ヌーヴォ」全11品を発売。華やかなラベルを採用、「6年連続トロフィー・リヨン・ボージョレ・ヌーヴォ(ヴィラージュ・ヌーヴォ)金賞受賞」を訴求する。

エノテカは、パリの「タイユヴァン」が選定する上級ヌーヴォーなど4ブランドを発売する。

メルシャンは、パリ在住の人気ユーチューバーとのコラボ動画で生産地やパリの解禁日の様子を届ける。解禁後の20日には現地とともに乾杯する中継も行う。今年もボジョレー・ヌーヴォー唯一の公式コンクールで2010年大金賞受賞の実績を持つアルベール・ビショーの8種を発売する。

サッポロビールは14品を用意。今年もヴィーガン対応品をそろえ、またサステナブルな環境づくりに配慮したことを仏農業省に認められたHVE認証品も展開。ワインメーカー久野靖子氏とラブレ・ロワ社のチーフワインメーカーのブリジット・プッツ氏が協働で、オンラインでブレンドをした商品も発売する。
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