▼24年産米の収穫量は前年より18万t増えたが、昨年末の集荷数量は21万t少ない。インバウンド需要が増えた、流通経路が多様化しているなど様々な理由が指摘されるが、平年作にもかかわらず国産米の供給は異変をきたしている。
▼外食店や小売店からも悲鳴が聞かれる。スーパーでは「量が集まらない」と、再開したばかりの月1度の特売を急遽中止した。外食や惣菜では、おにぎりや米飯の値上げが相次ぐ。大手卸は高騰するコメの代替としてパスタや麺弁当の提案を増やす。
▼農水省は買い戻し条件付きで備蓄米を放出する意向だが、どの時点で市場が安定化に向かうかは読めない。主食米の作付けを抑え、価格を維持する手法は限界を迎えている。将来に向けた米の安定供給確保は大きな課題だ。