
レスキューキッチンカーは、いざというとき災害支援が到着するまでの数日間は、すぐにその場で温かい食事が提供できるよう特別に装備されたキッチンカーで、炊き出し用の鍋や食材、テントや簡易トイレ、担架や車椅子になる立看板などを常備。被災地など全国の回り、家族や地域に寄り添った様々な活動を行っている。
当日販売された「意味のあるカレー」は、東京・国分寺のブランド野菜″こくベジ″の規格外にんじんや、茨城の熟成し過ぎて糖化が進んでいるがおいしいサツマイモを買いとり、カレーに入れて調理。少し硬いがおいしい干し芋も「おしゃぶりほしいも」として販売。食べることが生産者支援、能登半島への支援につながるとアピールした。
「ファーマーズ&キッズフェスティバル2025」で中村詩織代表(右)とゲストの小野あつこさん初日のイベントステージでは、防災食クッキングステージと題して食育防災アドバイザーの中村詩織さん(日本食育HEDカレッジ代表)の司会により、NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」の21代うたのおねえさんの小野あつこさんをゲストに迎え、防災情報「NHK防災」で取り上げられた災害で困ったときに役立つ料理を実演。″豆腐ベースのホットケーキ″は冷蔵庫にある豆腐やほうれん草のおひたし、卵などの食材で作る簡単メニューで、ポリ袋を使って調理する″ビスケットトリュフ″と共に来場者に試食してもらった。
レスキューキッチンカーを主宰する中村詩織・日本食育HEDカレッジ代表は、ボランティアや大学生等と一緒に能登をはじめ全国は巡っている。形が悪い野菜や廃棄される寸前の食材を買い取り、レスキューキッチンカーで調理し、豚汁やカレーにして販売。売上は被災地支援に充てている。
キッチンカーは地域レスキューとしての機能もある。有事の際には食事を提供し、簡易トイレを設置すると災害拠点に変身する。
「被災した能登のことを思う人は多く、親せきや知人、関係者が被災すると熱量が違うが、自分事として捉える人は少ない」と中村氏。「いい活動だと応援してくれる人は多いものの、自分への備えはまだまだだ」と感じている。