今春、中学生の息子が進級し「3年B組」の生徒になった。「金八先生じゃん」と声をかけたが「何それ」とそっけない返事。
それどころか当人はかの有名な主演俳優すら知らず。動画投稿サイトばかり見ている世代には不要な情報らしい。

▼東京駅前にそびえ立つ複合施設「ヤンマー東京」。再開発の一環で23年にオープンし最近イベントの取材で訪れた。中年の記者が思い起こしたのはもちろん「ヤン坊マー坊天気予報」。帰社して若手社員に問うたら「何ですかそれ」。

▼先日、某大手コンビニの方々と話す機会を得た。合併やブランド統合の歴史が記憶に新しい同社は、多様な出自の社員が在籍。組織は能力次第で旧各社の人材が要職に就いているという。「不公平感はまったくない。うまく融合できている」。

▼前出の若手社員に過去のコンビニ再編を訊ねるとやはり知らず。
やむを得まい。歴史はリアルタイムか否かで認識に隔たりができる。記者は約20年前、先輩に食品・酒類問屋合併の変遷を説かれた経験を思い出した。物事の深掘りに過去の知識は大切。ただし、その共有は世代が異なれば今も昔も難しい。
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