日本ハムは、ウインナーなどでおでん用の畜肉製品を9月1日に新発売する。同社のおでん向け商品は初。
売場用POP等で集客を図る他、需要が高まる10~12月にTVCMを投下するなど、既存市場の魚の練り物製品との共存を図り、おでん市場全体を盛り上げる。

新シリーズは「肉派のおでんの具」で、おでん用に開発したウインナーや餃子、野菜入り揚げなど4品を新発売する。いずれの商品も畜肉原料や畜肉エキスなどを活用し、ウインナーでは長時間煮込んでも食感を保ち、味抜けしない加工技術で開発するなど、畜肉加工メーカーの強みを生かした。同シリーズ投入で、おでんの課題であった子ども向けや野菜系が少ないなどの解消を図り、おでん売場の活性化を図る。

同社の調査によると、おでんの内食市場は3000億円と推計され、家庭鍋料理でトップクラス。近年は暖冬や野菜高騰で、食卓出現率は寄せ鍋がダウンする中でおでんは増加しており、今年も同様の傾向を予測する。

また、おでんは作り置きができるので経済的であり、時間が経過してもおいしい数少ないメニューの一つで、節約志向にも合致し、また家族それぞれ食べる時間が違う「ばらバラ食」にも対応できる。

ただ、おでんの購入層は40~70歳代が主で、若年層は少ないのが実情。特に子どもが魚のすり身の具材を敬遠しがちで、20~30歳代の購入構成比は低い。

また、野菜の具が少ないことや、魚練り製品は、各地域のメーカー品が多いので、全国販促やプロモーションが少ない状況もある。

そこで、日本ハムが「おでん若返り作戦」として、課題である子ども向け商材や野菜不足解消の商材を投入するとともに、「子どもが喜ぶおでん」を趣旨としたTVCMも投下し、販促も強化していく。

新商品は、「おでんウインナー」「にくもち餃子」「ふんわり彩揚げ」「うずら肉団子」の4品。
おでんウインナーはかつお出汁の味わいに肉のうま味をプラス。にくもち餃子はもちもち食感が特徴で、長時間煮込んでも食感を保つ。彩揚げは3種野菜入りで豆腐と鶏肉のふんわり食感が特徴で、おでんの具材の野菜不足解消を図る。「うずら肉団子」は、うずら卵が入った鶏肉使用の肉団子。いずれもバイヤーから好評とのことで、おでん市場活性化が期待されている。
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