
「業界全体の活性化に」豊留社長
このほど開催した新商品発表会の席上、豊留昭浩社長は「『春夏夏 汁なし麺拡大戦略』は小売業にプレゼンテーションした際も非常に好反応だった。新たな仕掛けやトレンドとして業界全体の活性化にもつながっている」と自信をのぞかせる。
インテージSRI+データからの推計によると、同社は第1四半期、カップ麺販売のうち汁なし麺の比率が51・5%にまで上昇し、袋麺と合わせたトータルは約43%、前年同期比7・9%もアップした。業界平均の構成比約17%(袋麺+カップ麺)と比較すると、圧倒的に高いことがよく分かる。
主力品「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」シリーズが二ケタ増ペースと好調だ。22~24年までの3か年計画で、ソースねり込み麺、香ばしい風味のソースとふりかけ、からしマヨネーズの品質をブラッシュアップしてきた効果が大きい。昨年夏から俳優の仲野太賀さんを起用したテレビCMも好評で大きな後押しとなっている。
手応えを語る豊留昭浩社長近年は地盤の東日本に加え、西日本でのシェアアップも顕著だという。「われわれは『一平ちゃん』の売上をまだまだ伸ばせると考えている」(豊留社長)との意気込みだ。
「明星 ぶぶか油そば」は前3月期に売上が7割増と飛躍した。ブレイクのきっかけはSNSで拡散した“飯テロ動画”。24年春に醤油ダレねり込み麺をブラッシュアップした効果もあり、たっぷりの極太麺に濃厚な焼豚醤油ダレが絡む唯一無二の食べ応えで若年層のニーズを捉えた。
コンビニの定番商品として、かねてよりカップ油そばカテゴリーで売上№1(出典:インテージSRI+データ)の座にあったが、直近はスーパーでの店頭配荷率が約5割まで急上昇してきた。
鈴木康明常務取締役営業本部長は「汁なし麺のマーケットで手薄だった高価格帯商品のニーズに合致した。もともとは東京を中心に売れ始めた商品だが、実は店頭に並べてみれば北海道から九州まで遜色なく売れることが分かってきた。当社の汁なし麺カテゴリーを牽引してくれている」と手応えを語った。