業務用食品のあじかん(広島市)は主力の玉子製品と調味料を組み合わせ、とろたま中華丼やオムライスができるセットを惣菜向けに提案してきた。このほど、それらに冷食メーカーの炒飯や焼そばを加えキット化。同社では「コメを確保するのが難しくなる中、冷凍の米飯をセットに加えることで、調理の手間が省かれ、現場の人手不足解消にもつながる」と説明する。
また、同社は巻寿司の普及に力を入れており、中の具材を“巻芯”としてシリーズ化している。米飯メニューを見直す動きが進む中、その巻芯を巻寿司ではなくバーガーの具として活用。海老カツ芯を使った「ゴロっと海老カツバーガー」などを提案する。
伊藤忠食品は7月に大阪市で開いた展示会で、惣菜売場の米飯の代替としてパン、麺、粉モンの3つの主食に焦点を当てた。このうち、麺はご当地ラーメンを企画。
製造する大徳食品(奈良県大和郡山市)は「ご当地麺はコンビニで人気だが、スーパーではまだ少ない。種類が多いので改廃によって、売場の目新しさも演出できる」と強調する。
同社は全国15種類のご当地麺を揃える。通常、惣菜売場に並ぶ麺商品はD+2が多いというが、同社の製品はD+3のため現場での業務軽減にもつながる。
食品卸の中村角(広島市)は惣菜売場向けに、流水解凍の麺とスチームコンベクションを活用した麺メニューを訴求する。調理が簡単で経時劣化しにくいという商品特徴を生かし、業務用のたれやソースと合わせたオリジナルメニューを訴求。
また、担当者は「夏だけでなく、秋冬にも使える。米飯から麺へのシフトが強まる中、関心も高まっている」と手応えを示す。