山田教授は講演にて、大要次の通り語った。老化とは時間の経過とともに生物が経験する変化の総称。実年齢ではなく、生物学的な年齢で考える「老化時計」で状態を把握する時代がくると考えられている。
健康寿命を延ばすためには、この老化速度を遅らせて、老化関連疾患をできるだけ遅く発症させればよいことが分かっている。老化の速度は人によって異なり、遺伝子に加えて生活環境やストレス、栄養状態が臓器の年齢に影響する。実生活では「運動」「栄養」「精神(脳、睡眠、休息)」「環境」の4つの因子が重要であり、適度な運動、食べすぎを抑えて、栄養と睡眠を意識する生活を心がけることが健康寿命増進に大切だ。
また会場ロビーでは、林原と後援の岡山市、明治、タナカ製麺所のブースが設置された。
新社名へ想い伝える
安場直樹社長(林原)セミナー開会に先立ち、林原の安場直樹社長があいさつ。4月1日に社名を林原から、「Nagase Viita」に変更することを報告し、新社名への想いについて説明した。
◇ ◇
林原は1883年に岡山の地で、でんぷんを麦芽で分解するという昔ながらの製法にて水あめ製造で創業したのが始まり。
その後、新しい技術を積極的に導入して、微生物の大量培養、酵素の製造、酵素の利用を通じたバイオテクノロジーに関わりをもつ会社になった。主力製品「トレハロース」は30年の歴史を誇り、いまも多くの製品に使われている。
2023年には創業140周年を迎えた。4月に同グループのナガセケムテックスの酵素事業を統合して、バイオ事業の可能性を広げ、グループ中核メーカーとして飛躍することができた。グループ入りして10年を迎え、ブランディングをより強化するために、林原は社名変更することになった。
創業から常に向き合ってきた生命への想い。それを引き継ぎ、独創的な製品づくりに邁進した社員達のものづくりの想い。存続することを認めてくれた長瀬産業の想い。新社名とパーパスにはそれぞれの想いが凝縮されている。これからも岡山を起点に技術とものづくりの研鑽を重ね、新たな価値を世界に向けて展開する。